奥歯の奥から臭う口臭の対策と原因

奥歯の奥から臭う口臭の対策と原因

歯を磨いたばかりなのに、なんとなく奥歯の奥を舌で舐めると臭い気がする、そんな時はないでしょうか?

そこまでひどい臭いではないのでまぁいっか、と放置していると、その口臭はどんどんひどくなる可能性があります。

そんな時、どういう対策を摂ったらいいのでしょうか?

また歯の奥が臭い時ってどうなっているのでしょう?

奥歯から臭う口臭の原因は?

奥歯から臭いがする口臭は、相手には気づかれるレベルの口臭なのでしょうか?

それとも自分の体内感覚でのみわかるレベルなのでしょうか?

奥歯から臭う口臭の原因 ~その① 歯周病~

口臭原因のトップは歯周病が原因です。

奥歯から臭いがする口臭の時、歯に違和感を感じてないでしょうか?

なんとなく歯が浮いたような気がしている、腫れているかもしれないなどの自覚症状があったり、歯磨きをした時に出血がある場合は、歯周病の可能性があります。

以下のような症状はないでしょうか?

  • 歯を磨いた時に出血する
  • 口臭がする
  • 歯茎が腫れてブヨブヨする
  • 歯茎の色が赤紫色になった
  • 硬いものを噛むと歯茎が居たい
  • グラグラしている歯がある
  • 歯と歯茎の間にものが挟まりやすい
  • 歯茎が下がって、歯が長くなった

これらは歯周病の症状です。

歯周病とは、歯周病菌に感染し歯茎がブヨブヨになるなどの炎症が起こり、歯周病菌はメチルメルカプタンという悪臭ガスを発生させます。

この悪臭ガスは臭いだけでなく、歯肉や歯周組織に炎症を起こさせてしまうのです。

歯肉に炎症が起こると歯茎がブヨブヨに腫れて、歯と歯茎の境目の溝が深くなり歯周ポケットが出来ます。

歯周ポケットの深さにより、歯周病の進行度は違います。

歯周ポケットの溝は、健康な人は1~2mmです。

歯周ポケットが2mm以上の時は歯周病の可能性があります。

歯周ポケットの中の血管壁から、炎症によって出てきた浸出液という血液の塊が出てきて、歯周病菌のエサになり炎症も悪化していくのです。

歯周ポケットが深い人は、その分口臭もかなりきつくなっていきます。

歯周ポケットの部分を指で押してみて臭いを嗅いでみたときに生臭い臭いがしたら、それは歯周病が原因で口臭がしている可能性が高いです。

差し歯やブリッジの部分も磨き残しが多い部分ですので、歯周病にかかりやすいです。

こちらも指で押してみて臭いを嗅いでチェックしてみて下さい。

歯周病になると、硬いものを噛んだ時などに歯茎に痛みが出てきます。

これは歯が痛いのではなく歯根膜や歯周組織が歯周病菌に感染していることから痛みが起こるのです。

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奥歯から臭う口臭の原因 ~その②虫歯~

奥歯は歯磨きがしにくい場所なので、虫歯になりやすいのです。

虫歯の初期段階C0では、歯のエナメル質が少し溶け始め、C1まではあまり痛みがありません。

C2になると、エナメル質の舌の象牙質が少し溶けるので、冷たいものがしみたりします。

C3になると象牙質から神経に達してしまうため、ズキズキとした痛みが出てきます。

C4になると、歯の上部は虫歯菌によって全部溶けてしまっていて歯の根っこだけになっています。

C4の場合は抜歯の可能性が高いです。

しみる、痛みなどの症状が出ている時は、虫歯が進行しているというサインなのです。

虫歯が原因の口臭は、魚が腐ったような臭い、チーズが腐ったような臭いというように、腐敗臭でたとえられています。

虫歯が進行すると歯が溶け始めます。

溶けて穴が開いた歯には細菌も付着しやすく、虫歯菌はどんどん活発になっていきます。

奥歯の虫歯に穴が空いていると、磨きにくいうえに食べカスが入ってしまったら、虫歯菌が付着して繁殖し、どんどん虫歯は悪化していきます。

見た目ではわからなくても、歯の中ではどんどん虫歯が広がっていき、気付いた時には神経までやられてしまう可能性があるのです。

とくに親知らずは1番奥にあるため歯ブラシでは磨きにくく、虫歯菌のエサになる食べカスを磨き残してしまう可能性が高いので虫歯になりやすいのです。

虫歯菌によって溶かされた歯は柔らかくなり、発酵して口臭がしてしまいます。

虫歯菌は、進行すると歯の神経を腐らせます。

奥歯は虫歯になりやすい歯のため、虫歯治療をした経験がある人も多いです。

治療後に神経を取ってしまっている歯は、虫歯になっても痛みは出ないため、そのまま放置してしまうと歯の神経や根が腐り口臭になる悪臭を発します。

神経が死んだ腐敗臭は歯根膜炎とも言われる状態の虫歯になり、強烈な口臭となるのです。

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奥歯から臭う口臭の原因 ~ その③ 食べかすなどの磨き残し ~

自分で歯磨きをしているつもりでも、奥歯は食べカスが溜まりやすく汚れが残りやすい箇所です。

口の中にいるたくさんの虫歯菌のミュータンス菌が食べカスに付着して、ミュータンス菌が口内で繁殖してしまいます。

ミュータンス菌は、およそ40分に一回の速度で分裂していきます。

食事から食事の間が6時間空いた場合、1匹のミュータンス菌が512匹にまで増殖するのです。

ミュータンス菌は悪臭ガスを発するため、口臭がしてしまいます。

歯磨きを見直そう!奥歯が原因の口臭対策の基本は口内を清潔に保つ事

口の中に食べカスが残っていたり、歯に歯垢や歯石が多く付着していると、口臭が発生します。

特に夜眠っている間には、口の中に細菌の数が増加しています。

夜寝る前と朝起きた時は歯磨きを徹底しましょう。

殺菌作用の高い歯磨き粉を使って歯磨きすることもとてもオススメです。

特に奥歯の奥はどうしても歯磨きをしても磨き残しが出来てしまうところ。

奥歯の奥は歯ブラシが届きにくく、歯垢や食べカスが溜まりやすいのです。

また親知らずが生えている人は、親知らずが半分で止まっていたり斜めに生えていたりすることもあり、歯が磨きにくい状態です。

磨き残しの歯には細菌や歯垢がたまり、歯垢は48時間たつと歯石になります。

歯石は細菌の住処になっているので、細菌の出す悪臭ガスが口臭となってしまうのです。

口臭を防ぐために出来る1番簡単な手段は日々の丁寧な歯磨きです。

1本1本の歯を丁寧に磨いていき、とくに奥歯は念入りに磨きましょう。

日頃から奥歯に食べカスや歯垢が溜まらないようにしっかり洗浄していくことが大切です。

また殺菌効果のあるマウスウォッシュでのうがいも効果的です。

意識的に口内を清潔に保つようにしていきましょう。

汚れが目に見えるマウスウォッシュランキング 汚れが目に見えるマウスウォッシュランキング

血が出たら歯周病の疑いが!・・先ず歯医者さんで診断を

日本では30代以上の成人の80%が歯周病患者であると言われています。

歯周病が口臭の原因になる理由は、歯茎の炎症で腫れて血なまぐさい・歯周ポケットで細菌が発酵してしまう・歯茎が膿んで膿の臭いがするなど様々です。

健康な歯茎はピンクで、歯を磨いても出血しません。

歯周ポケットの深さは、健康な歯茎では1~2mmです。

歯周ポケットが2mm以上の深さだと、ポケット内部で歯周病菌が活動しやすくなっています。

歯周ポケットの中は歯周病菌の住処になり、細菌は歯周ポケットに溜まった汚れや食べカスをエサに繁殖していきます。

歯周病菌はメチルカプタンなどの悪臭を発するので、口臭となってしまうのです。

歯周病かなと思ったら、まず歯科を受診しましょう。

歯周病の治療としては、まず歯周病基本治療として原因の歯の歯石を除去して、歯の根のチェック、グラグラする歯のかみ合わせ調整をします。

進行してしまった歯周病の場合は、外科的に歯周ポケットを減少させる手術をする場合もあります。

重度の歯周病で、歯の根の先まで骨が溶けてしまっている場合は、骨を再生することは不可能なのです。

歯周病の症状が出ている人は、たかが歯周病だからと放置せず、早めに歯科を受診してしっかり治療に向き合って下さい。

口臭の原因に?血液と口臭の関係性 口臭の原因に?血液と口臭の関係性

汚れが溜まりやすい歯にはデンタルフロス・ワンタフトブラシで歯磨き

デンタルフロスは、歯と歯の間の歯垢を落とすための細い糸です。

歯ブラシだけでは汚れや食べカスを完全には落としきれないので、奥歯には歯石や歯垢が付着しやすくなります。

奥歯など汚れが溜まりやすい歯には、歯ブラシだけでなくデンタルフロス・ワンタフトブラシを使って丁寧に洗浄することが大切です。

歯ブラシだけの洗浄では61%の歯垢除去率ですが、デンタルフロスを使って汚れを落とすことで歯垢除去率が80%にまでアップするのです。

虫歯菌の90%は、歯と歯の間から発生しています。

歯垢1mgの中には細菌が10億個いると言われています。

歯と歯の間はどうしても歯ブラシでは洗浄しにくい場所なので、デンタルフロス・ワンタフトブラシを使ってきちんと歯垢を除去していきましょう。

正しいデンタルフロスにやり方について。頻度やタイミングなど。

デンタルフロスの使用法

  1. フロスを40cmの長さにカットして、輪っかを作り人差し指で伸ばし、糸がピンと張った部分を1~2cmくらい保ちながら使います。
  2. フロスを歯と歯の間にゆっくりおろしていきます。
    この時無理に力を入れておろすと、歯茎を傷つけたり、歯周ポケットに汚れがはいってしまうことがあるので注意します。
    フロスを前後にスライドさせながら、ゆっくり奥まで入れましょう。
  3. フロスをくの字に沿わせて、こすりながら上にあげます。
    逆くの字も同じようにします。

おすすめデンタルフロスは、初心者の場合はワックスタイプを使うことをオススメします。

ワックスタイプのデンタルフロスは、滑りが良く扱いやすいのです。

歯科でよくオススメされるのは、ジョンソン・エンド・ジョンソンやG.U.Mのデンタルフロスです。

デンタルフロスで血だらけに!?出血は大丈夫なの?原因や対処法を紹介します。

ワンタフトブラシを使って磨く

ワンタフトブラシは、毛束が1つの歯ブラシです。

通常の歯ブラシでは行き届かない場所まで毛先が届くので、きちんと食べカスや汚れを落とすことが出来るのです。

予防歯科先進国のスウェーデンでは、ワンタフトブラシは歯ブラシより先に磨くツールとして浸透しています。

まず汚れが残りやすい奥歯から綺麗にしていくために、ワンタフトブラシを使って奥歯や親知らずの磨きにくい部位から磨きます。

まず、ワンタフトブラシを鉛筆を持つように握ります。

毛先が少ししなるくらいの力で、歯と歯の間に毛先が入り込むイメージで磨いていきます。

一番奥の歯は歯ブラシが届きにくいので、ワンタフトブラシが大活躍します。

特に上の奥歯は歯ブラシが当たりにくいので虫歯になりやすいのです。

ワンタフトブラシを10~20回くらい小刻みに動かしながら、奥歯の表面・裏面どちらも磨くことを意識していきましょう。

親知らずの周辺も最奥なので、歯ブラシだけではきちんと磨くのが難しいです。

ワンタフトブラシで汚れを定期的に取っていきましょう。

歯と歯茎の境目も、歯垢が付きやすく虫歯になりやすいところなので、歯茎に沿ってなぞるように動かし汚れを落としていきましょう。

オススメのワンタフトブラシは、プラウトやデントEXやピーキュアです。

歯ブラシでは磨きにくい箇所も、ワンタフトブラシならストレスなく磨くことが出来ます。

歯ブラシの前にワンタフトブラシで磨いて、口臭を予防していきましょう。

奥歯から臭う口臭の多くは歯周病が原因

奥歯はどうしても汚れがたまりやすいので、虫歯になりやすく、歯周病の症状も出やすい箇所です。

歯周病は進行すると改善が難しい症状です。

奥歯からの口臭の原因の多くは、歯周病が原因になっています。

歯周病は感染病です。

食事やキスなどでも簡単に感染してしまうので、1人1人がきちんとした口腔ケアをして、口内環境を整えていく必要があります。

きちんとした歯磨きをすることは、虫歯や歯周病を予防できます。

また歯科で定期的に歯石除去クリーニングなどを受けることで、奥歯が臭くなる原因を早期発見できます。

歯周病かなと思ったら、早めに歯科を受診しましょう。