歯間ブラシが入らないからと諦めると口臭の原因になる

歯と歯の間を綺麗にしたい時に最適な歯間ブラシ。でも歯間ブラシを買ってみたけど入らなかった、うまく使えなかった、という経験がないでしょうか?

歯間ブラシの使い方がよくわからずに諦めてしまうと、口臭がひどくなる原因になります。あらゆる歯のトラブルは歯間から起こると言っても過言ではないのです。

歯間ブラシは最適なサイズのものを選んで使うと、歯と歯の間に溜まった食べカスや歯垢を綺麗に効率的に除去でき、口臭も改善されていきます。

自分に合った歯間ブラシの選び方や使い方について、詳しく説明していきますね。

歯ブラシと歯間ブラシでこまめな歯垢ケアを

口臭の原因の90パーセントは口内にあると言われています。歯と歯の間に溜まっていく歯垢も、口臭の原因になります。

歯垢の匂いは、ドブ臭いような腐敗臭がします。歯垢は48時間経つと歯石に変化してしまいます。

さらに歯石も口臭の原因にもなりますので、歯石の付着と口臭を防ぐためにも、口内に溜まった歯垢はしっかり落としておく必要があります。歯ブラシと歯間ブラシを使って口腔ケアをしていきましょう。

歯ブラシだけのお手入れでは、口内の汚れは60%程度しか除去することが出来ませんが、歯間ブラシを併用していくことで、口内に溜まった汚れの除去率は90%まで上昇するのです。

予防歯科先進国のノルウェーなどでは、歯のケアは幼い頃から徹底されているので、歯間ブラシやデンタルフロスの使用率はとても高いです。

歯間ブラシが入らないのはサイズが大きすぎるか入れる方向が違う

歯間ブラシは、歯茎の隙間の箇所によってサイズを変えて使います。

歯間ブラシが歯間に入らない時は、歯間ブラシのサイズが大きすぎる時です。

歯間ブラシの大きさはとても重要ですので、入らない時は無理やり入れて使わないようにしましょう。

また歯間ブラシは入れる方向も重要です。

歯間ブラシは歯と歯の隙間に直角になるように入れないと奥まで入りません。

斜めから入れたり上からいれようとすると、歯や歯茎に当たって奥まで入りません。

歯間ブラシはサイズ選びが重要

年齢とともに歯茎は痩せて退縮していき、歯と歯の間に隙間が出来てしまいます。歯周病にかかると、特に歯間の隙間が広がります。

歯ブラシでは歯と歯の奥まで毛先が届かないので、歯間ブラシを使ってしっかり歯間にたまった歯垢や食べカスを除去しましょう。

歯間ブラシは自分の歯間に合ったものを選ぶようにしましょう。サイズが合ってないものを無理やり使うと歯や歯茎を傷つけてしまう場合もあります。

サイズは各種あり、歯間の広さや目的別で使い分けます。サイズ選びは歯間ブラシ選びの重要なポイントです。

歯間ブラシは、サイズをきちんと測って使用します。合っていないサイズのもので清掃しても効果は低くなります。サイズは以下の通りですが、メーカーや材質によっても多少異なります。

歯肉退縮部分・狭い歯間の掃除におすすめ
軽度の歯肉退縮部分・歯並びが悪く、歯が重なっている部分などの掃除におすすめ
歯肉退縮部分・ブリッジをしている人はブリッジの周辺の掃除におすすめ
広く空いた歯間部分・歯根露出部分などの掃除におすすめ
さらに広く空いた歯間部分・孤立した歯の周辺の掃除におすすめ

効率的に歯間の汚れを取りたいときは、歯と歯の隙間ごとに歯間ブラシのサイズを変える必要がありますが、多少小さめのものであれば歯茎の根元に沿わせながら使うことが出来ます。

歯間ブラシのサイズが大きすぎると歯茎の負担になる

大きいサイズの歯間ブラシを無理やり使うと、ブラシやワイヤーで歯と歯肉を傷つけてしまいます。

歯肉が傷つくと、炎症を起こしたり腫れたりします。

そこから細菌感染して歯周病に繋がる可能性がありますので、歯間ブラシは自分の歯間より少し小さめのものを選びましょう。

奥歯にはL字型の歯間ブラシが最適

奥歯に歯間ブラシを使う時は、L字型の歯間ブラシが最適です。

L字型の歯間ブラシであれば、奥歯まで届きやすいため操作がしやすいです。

ストレートタイプの歯間ブラシは前歯の方で使いましょう。

歯間が狭い場所はデンタルフロスを使おう

歯と歯の間全てが等間隔で隙間があるわけではありません。

歯と歯の隙間が狭かったり重なり合っている場合は、歯間ブラシではなくデンタルフロスを使うようにしましょう。

歯間ブラシは、歯周病などで歯と歯の隙間が広がっている人に適したものです。

歯と歯の隙間が狭い箇所に無理やり歯間ブラシを使うと、歯や歯茎にダメージを与えるため注意してください。

歯間ブラシは定期的に交換しよう

歯間ブラシは使うたびに流水で汚れを落として、風通しの良い場所で保管します。

歯間ブラシは使い捨てではありませんが、歯ブラシと同じように定期的に交換する必要があります。

1か月に1度は交換するのがオススメの交換頻度ですが、その前に歯間ブラシのけが乱れたり、毛が抜けて短くなって来たら交換しましょう。

歯間ブラシ使用後に臭い場合は歯槽膿漏の可能性がある

歯間ブラシを使用したあと臭いを嗅ぐと血なまぐさい臭いがする時は、歯槽膿漏の可能性があります。

歯ブラシだけで歯磨きをしている時はそんな臭いは気にならなかったのに、歯間ブラシを使うことで血なまぐさい臭いに気づくこともあります。

これは歯周病独特の膿の臭いなのです。

軽度の歯肉炎や歯周病になると、歯肉や歯茎から出血し、歯周ポケットの中には歯肉から染み出た液と歯周病菌が溜まって膿臭くなるのです。

歯間ブラシで歯間を清掃して口臭予防をしよう

歯間ブラシは、加齢で歯茎が下がってきた人や歯周病の人には最適なオーラルケアグッズです。

予防歯科先進国のスウェーデンでは、子どもから大人までほとんどの人が歯間ブラシを使用しています。

歯ブラシだけでは除去できない歯垢も、歯間ブラシを使うことで90%近くの歯垢が除去できるのです。

慣れないうちは難しい歯間ブラシですが、適切なサイズの歯間ブラシを使い歯と歯の間を清掃して、口内環境を整えて口臭を予防していきましょう。

落とし切れない汚れは歯医者でクリーニング

口腔ケアとして、歯垢のケアは自宅で継続的にすることが大切ですが、どうしてもセルフケアで落としきれない汚れは、歯に蓄積されて口臭の原因になります。この時の口臭は腐敗臭がしてしまいます。

落としきれない汚れを綺麗に除去するには、歯医者さんでクリーニングをしてもらわなければ落とすことは出来ません。歯医者さんでのクリーニングとは具体的にどのようなものでしょうか?

歯石除去は、プロの技術を持つ歯科衛生士さんが専用の機器を使ってクリーニングしていきます

ハンドスケーラーや超音波スケーラーを使いながら、歯にこびりついた歯石を除去していきます。

歯石とりが久しぶりの人や、歯石が頑固にこびりついている人は、1回の治療で取り除けないものもあり、2~4回に分けてクリーニングする場合もあります。

定期的に歯石除去をしていると、歯石とりの時間も費用も安く済むようになります。

保険適用内でのクリーニング

健康保険では審美歯科としてのクリーニングは出来ません。保険適用内で歯のクリーニングをする場合は、原則歯の治療、歯周病治療として歯石除去クリーニングを実施します。

そのため歯石除去クリーニングの前にはレントゲン検査があり、初診料も発生します。保険診療には制限もあるため、1回の治療がおよそ30分程度でしょう。費用は3割負担の人で3,000円程度です。

自費治療でのクリーニング

自費治療の場合、保険診療のように制限がないため、歯科によってサービスも異なります。それで歯科ごとに歯石除去でもどこまでするのかによって値段の差が生じます。

歯医者さんがカウンセリングをして、個人の要望別にクリーニングメニューを決めるため、値段だけで歯医者さんを決めるのは安易です。じっくりクリーニングと口腔ケアをしてくれる歯医者さんを、口コミなどで調べましょう。

また治療目的でなく審美目的でクリーニングを受けられるので、歯をもっと白くしたい等の要望にも応えてもらえます。

PMTC(Professional Mecharical Tooth Cleaning)でのクリーニング

歯科で行われる自費治療のクリーニングとして、PMTCがあります。

PMTCはプロが専用の器具を使って専門的な歯の掃除をする、という名の通り、自力では不可能な歯石除去や、歯垢・着色汚れを徹底的に除去してもらうことが出来ます。

まず専用の薬剤を使って歯垢の染め出しをして、セルフケアでは取りきれない歯垢の場所や、正しい歯磨きの方法を教えてもらいます。

人によって状態が異なるため、一人一人に適切な処置がなされます。そして歯の表面にトリートメントやフッ素を塗布して終了します。

PMTCを受けることで、口腔状態を良好に保つことができるほか、虫歯や歯周病予防にもなり、口臭を予防することが出来ます。料金は自由診療のため歯科により幅がありますが、15,000~20,000円という歯科が多いようです。

その後しっかりと歯・歯間の清掃を行い、歯の表面の研磨をします。歯の状態に合わせて器具も選ばれ、歯石が付きにくいように仕上げをしてくれます。治療時間にも制限がないので、1回で1時間取ることも可能です。

自由診療は費用がかかりますが、何度も通院する手間も省け、徹底したケアを受けられるメリットがあります。