口臭を放つ歯茎と歯の異常事態10選!その原因と対策とは?

口臭を放つ歯茎と歯の異常事態10選!その原因と対策とは?

口臭が気になった時、その原因が歯茎にあるかも、と思ったことはありませんか?

そんな時は歯茎を触ると臭いがしませんか?

もし、歯茎から血が出ている時や膿が出ている時は、歯周病が進行している可能性があります。

歯茎が原因の口臭とは、口の中がいったいどんな状態になっているのでしょうか。

歯茎が原因で起こる口臭とその対策7選

しっかり歯磨きをしていても、歯の周りや歯茎が臭い時があります。

その臭いは歯茎からのサインです。

歯と歯茎のトラブルは、1番の口臭の原因となります。

歯周病

歯周病とは、歯のセメント質や歯茎・歯根膜・歯槽骨などの歯周組織が、細菌に感染することで起こります。

歯周病に感染すると、炎症部分が化膿して膿が出てくるようになります。

この膿が口臭の原因になります。

歯周病になると、歯周ポケットに溜まった歯垢から、口の中の細菌が食べカスなどをエサにして繁殖する際に悪臭ガスを発します。

この悪臭は、玉ねぎが腐ったような臭いのメチルカプタンや、卵が腐ったような硫黄水素の臭いを発します。

この臭いも口臭の原因になります。

歯周病は重症化すると、歯を支えている歯槽骨を溶かし、最悪の場合は歯を失うことになります。

日常からしっかりとした歯磨きをして、歯周病の元になる歯垢をしっかり除去するようにしましょう。

また予防歯科の観点からも、歯科で定期的に歯石除去クリーニングをしてもらうこともオススメします。

歯肉炎

歯肉炎とは、歯と歯茎の境目に歯垢が溜まることによって、歯茎に炎症が起こる症状です。

歯肉炎は歯周病の初期段階です。

口の中の細菌が歯垢になり増殖していくと、歯垢が歯茎の溝に溜まっていきます。

この細菌が悪臭ガスを発生させるため、口臭の原因になります。

歯肉炎を放置すると歯槽膿漏などの歯周病になり、歯槽膿漏が悪化すると最悪の場合歯を失う可能性があります。

歯肉炎は、歯垢が溜まることで起こる単純性歯肉炎と、てんかんなどの薬の副作用で歯茎が腫れ上がる複雑性歯肉炎があります。

その他、妊娠やヘルペスやストレスが原因で起こる歯肉炎があります。

歯茎に以下のような症状はありませんか?

  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯茎から出血する
  • 歯茎が赤紫色になっている

これらの症状がある人は、歯肉炎を発症している可能性が高いです。

歯肉炎は、食生活が偏っている人や生活習慣が乱れている人がかかりやすいです。

きちんと歯磨きをして、砂糖が多く含まれている食品を食べ過ぎないようにしましょう。

歯肉炎の初期段階で歯科治療をしておけば、歯周炎に進行することも防げるため、治療期間は短くて済みます。

歯茎の炎症に気づいたら早めに歯科を受診しましょう。

智歯周囲炎

智歯周囲炎の智歯とは、別名親知らずのことです。

10代後半から20代前半にかけて生えてくる第三大臼歯のことで、親に知られることのない年齢に生えることから親知らずと呼ばれます。

上下左右の奥に生えますが、4本すべて生え揃わない場合もあります。

親知らずは、顎が小さくスペースがない場合は、横向きや斜めに生えてくる場合と、横向きで歯肉に埋まったままの状態の場合があります。

斜めに生えてきた場合は、歯ブラシが届きにくく不衛生な状態になり、歯の付け根に歯垢がたまりやすくなり歯石となってしまいます。

歯石が出来ると細菌の温床になるため、口臭の原因にもなります。

親知らずの周辺で歯の炎症が起きることを智歯周囲炎と言います。

親知らずの周囲の歯肉に溜まった汚れが炎症を起こし、ひどい痛みが出たり顔全体が腫れあがったりするケースや、埋まってしまった歯のまわりの歯肉に炎症が出て痛みが出ることもあります。

このように智歯周囲炎が悪化すると、場合によっては歯肉を切開して抜歯しなければならない時もありますので、親知らずが傷んだ時は放置しないで、早めに歯科を受診しましょう。

根尖性歯周炎

進行した虫歯や外傷によって神経が死んだり、根管治療の失敗によって虫歯の先端で起きてしまう炎症を根尖性歯周炎と言います。

歯根と歯槽骨の間の歯根膜での炎症が起きることから歯根膜炎とも言います。

治療後の歯などにも発症するため、見た目では気づきにくいことが多いです。

歯茎から感染していき化膿して根の先に膿の袋ができるほか、歯茎から膿が出てくる場合もあります。

この時、膿の袋がある場所の顔の皮膚を押すと痛みがある場合もあるので、皮膚炎と間違えることがありますが、歯茎を見て白い袋が出来ている場合は歯尖製歯周炎の可能性が高いです。

この場合は歯科での治療が早急に必要です。

この膿の袋を放置しておくと、歯性病巣感染(しせいびょうそうかんせん)が起きる可能性があります。

歯性病巣感染とは、細菌が血管を通ってほかの臓器に感染してしまうことで、心臓へ行けば心筋梗塞・狭心症を、脳に行けば脳梗塞を、血液に入れば糖尿病を引き起こす可能性があります。

このように根尖性歯周炎は他の病気に繋がるリスクもあります。

痛みにも周期がありますが、あまり痛みがない場合でも放置せず早めに歯科を受診しましょう。

歯肉膿瘍

歯肉の縁や、歯と歯の間の歯肉で炎症が起こり、化膿して膿が溜まってできる腫れものを歯肉膿瘍といいます。

歯磨きの時に、強くブラッシングしすぎて歯茎の表面が傷つい時や、食事の時に魚の骨などの硬いもので歯肉を傷つけた時に、細菌感染によって傷口が化膿して発症します。

それが原因で、根尖性周囲炎や、歯槽骨の炎症につながる可能性もあります。

歯肉膿瘍は、触るとブヨブヨしていて押すと痛みが出たり、膿が出てしまった場合は出血することもあります。

膿が出てもきちんと歯科で処置をしないと、また同じ場所に繰り返し膿瘍ができてしまいますので、化膿した腫れものを見つけた場合は早めに歯科を受診して、根本治療と抗生物質による薬物の投与をして膿瘍を完治していきましょう。

歯茎のできものフィステル

歯茎に出来るおできをフィステルと言います。

このフィステルとは、根尖性周囲病にかかった時に内部に溜まった膿を出すための穴です。

一見口内炎のように見えますが、フィステルは時間がたってもなかなか治りません。

フィステルがあるということは、中で根尖性周囲病が進行しているというサインなのです。

フィステルは進行すると、強烈な口臭の原因になります。

その他、健康な歯や歯肉組織にも悪影響を与えてしまうのです。

フィステル自体にはあまり痛みがないのも特徴ですが、痛みがないからと言って放置せずに、発見したら早めに歯科を受診しましょう。

インプラント周囲炎

インプラントの周囲の歯茎が腫れたり歯槽膿漏になることをインプラント周囲炎と言います。

歯槽膿漏が悪化してインプラントにしたのに、インプラントが原因でさらに歯周病になるなんて、思いますが、インプラントも万能の歯ではありません。

インプラントをしている人は、もともと歯周病になりやすい口内環境の人が多いので、インプラント後も歯磨きなどの口腔ケアは丁寧にする必要があります。

インプラントの場合は、インプラントの上部にかぶせた冠と歯茎の間の溝に細菌が繁殖しやすくなります。

インプラントをしている人の2~3人に1人がインプラント周囲炎になっています。

インプラントの場合は、歯周病になっても歯の痛みが起こるわけではないので、インプラント周囲炎の進行に気づかないことも多いので、口の中のメンテナンスにはさらなる注意が必要です。

歯が原因で起こる口臭とその対策3選

歯が原因で口臭がしてしまう時は、3つの原因があります。

原因とその対策も詳しくみていきましょう。

虫歯

虫歯は口臭の原因になりますが、進行していくにつれて口臭もひどくなっていきます。

虫歯による口臭は、以下のように3段階に変化します。

  1. 歯磨きで落としきれなかった食べカスが口の中の細菌のエサになり、細菌が発するガスで口臭になる
  2. 虫歯が進行していくと、神経まで侵食していき神経が腐ってしまい、腐った神経は腐敗臭を発して口臭の原因になる
  3. 虫歯を放置すると神経から細菌が入ってしまい、歯根の先に海が溜まり口臭の原因になる

虫歯が原因で口臭がしている場合は、きちんと歯科で治療しなければ口臭の改善はされません。

虫歯がある場合は、早めに治療してもらいましょう。

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歯垢と歯石

歯に食べかすなどの汚れが付着すると、細菌が繁殖します。

細菌の塊が歯垢で、1mgの歯垢には300種類の細菌が数億個潜んでいると言われています。

歯垢は48時間放置すると、石灰化して歯石となります。

歯石は軽石のように無数の穴があるため、歯石にも歯垢が付着しやすくなりますので、歯石は細菌の温床となり歯周病菌を増殖させてしまいます。

歯周病菌が増えると歯茎に炎症が起きて、歯肉に炎や歯周病を引き起こします。

歯周病菌は、食べカスをエサにして増殖していきますが、その時に悪臭ガスを発します。

このガスが口臭の原因になります。

歯石が付いてしまったら、歯ブラシなどでは除去することが出来ず、歯周病の原因となってしまいますので、早めに歯科で歯石を除去してもらいましょう。

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銀歯やブリッジ

銀歯やブリッジの周りは汚れが溜まりやすいので、歯磨きも丁寧にブラッシングしなければなりません。

また銀歯やブリッジが古い場合には、支台との適合が悪くなっている可能性があります。

その部分には汚れが溜まりやすくなるため、細菌が繁殖しやすくなり細菌が悪臭ガスを発します。

これが口臭の原因になります。

銀歯やブリッジの周りの歯磨きは、歯ブラシだけでなく歯間ブラシを使ってしっかり洗浄するようにしてください。

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口臭を放つ歯茎と歯の原因・対策まとめ

歯茎と歯が原因で口臭がする場合は、歯肉炎や歯周病にかかっている可能性が高いです。

口臭原因で1番多いのが歯周病です。

歯肉炎や歯周病にかかる原因は、歯垢の繁殖と不規則な生活習慣にあります。

生活習慣を改善して、きちんと口腔ケアをするようにしましょう。

歯肉炎や歯周病を防ぐポイントは、丁寧な歯磨きと歯科での定期検診です。

予防歯科の観点からも、3か月~6か月に1回は歯科で定期検診を受けて、自分では取り除くことが出来ない歯石をクリーニングしてもらいまいましょう。