口臭は老若男女問わず、みんなが気になる症状です。
口臭は、自分より周囲の人が迷惑しています。
特に口から下水のようなニオイがする口臭の場合、どう対処したら良いのかわからないですよね。
下水や排水溝のニオイがする口臭は、どのように対処したら良いのでしょうか?
また、なぜ下水のような口臭がしてしまうのでしょうか。
その原因と対策法を詳しく見ていきましょう。
目次
そりゃくさい。口臭と下水の臭いの共通成分
口臭の原因は様々です。
口臭は、玉ねぎが腐ったような臭いのメタンチオール(メチルメルカプタン)、卵が腐ったような臭いの硫化水素、キャベツが腐ったような臭いのジメルチルファイドなどの成分が合わさって、下水の臭いの原因になっています。
これらのガスは揮発性硫黄化合物と呼ばれており、強力な生体毒性があります。
特にメタンチオール(メチルメルカプタン)は、少量でもかなりの悪臭です。
硫化水素は卵が腐った臭いがします。
さらに、腎臓疾患や肝臓疾患が原因で起こるアンモニア臭は、トイレのような臭いなのでまさにこれらが合わさると、下水のような臭いがするのです。
下水のような口臭がする様々な原因
人間には生理的口臭というものがあり、起床時、空腹時、疲労時、緊張時などは誰でも口臭が起こります。
生理的口臭以外に口臭がする時の、下水のような口臭がする原因は大きく4つあります。
胃腸の不調
内臓の中でも胃腸の不調は、口臭の原因になります。
胃の不調による口臭
胃の調子が悪くなると、消化不良を起こします。
消化不良を起こすと、胃の中で食べ物が消化されずに残ってしまいます。
残った食べ物は腐敗・発酵して硫化水素などの悪臭ガスを発します。
この悪臭ガスは、胃壁を通り越して血液に取り込まれて全身を巡り、肺に達して気化され呼気となり口臭となってしまうのです。
口臭を伴う胃の病気は、胃痛、胃潰瘍、慢性胃炎などがあります。
腸の不調による口臭
腸内環境が乱れてくると、腸内の細菌バランスが壊れてきます。
腸内には、善玉菌と悪玉菌と日和見菌が存在しています。
日和見菌とは名の通り、日によって違う働きをする菌で、腸内環境はこの日和見菌がキーポイントになるのです。
腸内で善玉菌が優勢の時は日和見菌も善玉菌の働きをし、悪玉菌が優勢の時は悪玉菌の働きをするのです。
腸内は善玉菌が優勢になるように心がけたいのですが、腸内で悪玉菌が優勢になると、便秘症など様々なトラブルを引き起こします。
便秘症になると、腸内に老廃物が滞り、老廃物が腸内で腐敗・発酵して硫化水素などの悪臭ガスを発します。
腸内で充満した悪臭ガスは、腸壁を通り越して血液に取り込まれて全身を巡り、肺に達して気化され呼気となり口臭になってしまいます。
口臭を伴う腸の病気は、便秘症、ガスが溜まりすぎる、腸炎、下痢などです。
歯周病の発するガス
歯周病は、歯周病菌による感染症です。
歯周病菌は、硫化水素より強烈なメチルメルカプタンを大量に発生します。
メチルメルカプタンは、毒物および劇物取締法などの法律により毒物に指定されているほどの強い毒ガスです。
毒性は青酸ガスに匹敵するとも言われていて、かなりの強力ガスです。
また歯周病菌の発するメチルメルカプタンは、口臭の原因になるだけでなく、このガスが歯肉にあたることで歯肉炎を引き起こす原因にもなり、メチルメルカプタンは歯周病を悪化させる要素でもあります。
蓄膿症
蓄膿症は慢性の副鼻腔炎の症状です。
きっかけは風邪や鼻炎、アレルギーや花粉症などにより引き起こります。
細菌やウイルスによって鼻の中に炎症が起こり、鼻の奥にある副鼻腔の部分に膿が溜まることで、不快な臭いがしたり、息が詰まったりします。
この膿が口臭の原因になります。
口腔内の不調、膿栓やドライマウス
口腔内の不調には、膿栓やドライマウスもあります。
膿栓
くしゃみや咳をした時に、黄白い塊が飛び出してきた経験があると思いますが、これが膿栓です。
体は、呼吸とともに体内に入ってきた細菌やウイルスを撃退するために、喉にある扁桃から免疫物質が発生させます。
この免疫物質が、細菌やウイルスと戦った後に混ざりあった残骸が膿栓です。
膿栓は細菌の塊でもあるので、口臭の原因となってしまいます。
膿栓は、体の免疫反応なので誰にでも発生しますが、慢性鼻炎や後鼻漏の人は膿栓が出来やすくなります。
ドライマウス症
ドライマウス症とは舌や口の中が乾燥する症状で、口腔乾燥症とも言います。
以下のような症状はありませんか?
- 口の中が乾燥する
- 口の中がねばつく
- 起床時口の中が苦い
- 舌が乾燥して白い
- 舌苔ができる
- 舌がピリピリする
- 虫歯が出来やすい
- 口角炎が出来る
- 口腔カンジタ症状が出る
- 口臭がする
ドライマウス症の人は、これらの症状があります。
ドライマウス症の人は、口内が乾燥するため、唾液の分泌量が減少します。
唾液には、洗浄・抗菌・殺菌作用があり、口内を清潔に保つ役割があります。
唾液で潤った口内は、十分保湿されるので、口内のpH値は中性になり細菌バランスも保たれています。
しかしドライマウス症の人は、常に口内が乾燥しているので唾液が少なくなってしまい、口内のpH値は酸性に偏ってしまいます。
唾液が減少すると、唾液の洗浄・抗菌・殺菌作用がなくなり、口内には細菌が繁殖しやすい状況になってしまいます。
細菌はメチルメルカプタンなどの悪臭ガスを発するため、口臭の原因になってしまいます。
口臭の原因のほとんどが正しいケアで治せます
口臭の原因をご紹介しましたが、これらの口臭の原因は、正しいケアをすることで治す事が出来ます。
口臭対策を症状別にご紹介します。
胃腸が原因の口臭対策
胃腸が原因の口臭対策は、胃腸の調子を整える事が大切です。
暴飲暴食は消化不良に直結します。
暴飲暴食をしない、適度な運動をする、睡眠不足を解消するなど、食生活と生活習慣の改善をする事が重要です。
また、胃腸はデリケートな臓器ですので、ストレスと直結しています。
ストレスが過剰にかかると、自律神経に乱れが生じます。
胃腸の活動は自律神経が司っているため、自律神経の乱れは胃腸の働きにも影響します。
ストレスから消化不良になってしまったり腸の蠕動運動が弱まったりして、胃腸の働きも弱まり口臭の原因になっていくのです。
またストレスによる自律神経の乱れで、唾液の分泌量も減少します。
口内がいつも清潔な唾液で潤っているのが理想の口内です。
ストレスがかかることは、口臭だけでなく体にも影響をしていきます。
ストレスのない生活を送る事が、胃腸のケアには必須です。
とは言っても現代はストレス社会です。
ストレスを取り除くことは難しいのですが、1日の中でリラックスする時間を作ることもとても大切です。
口内が原因の口臭対策
口内が原因の口臭対策は、日々のホームケアが重要になります。
丁寧な歯磨き
口内を清潔に保つためには、日々の丁寧な歯磨きが重要です。
起床時、毎食後、寝る前と1日5回歯磨きをするようにしましょう。
歯磨きは、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスも併用しましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを併用する事で、口内の洗浄率は90パーセントまで上昇します。
歯周病の原因にもなる歯石を付着させないためにも、日頃の丁寧な歯磨きで、歯石の原因になる歯垢をしっかりと除去していきましょう。
膿栓の対策
膿栓が出来ないようにするためにも、こまめにうがいをすることはとても効果的です。
また、マウスウォッシュなどを使用している場合は、歯ブラシが届かない喉の方へも液体が届きやすいので、口内全体の洗浄・殺菌になります。
唾液の分泌量を増やす
口内が乾燥すると唾液が減少して、口臭の原因になってしまいます。
口内が常に清潔な唾液で潤っているようにしましょう。
唾液の99.5%は水分で出来ています。
唾液の分泌を促すためにも、こまめに水分補給することが大切です。
この時一度に大量の水分を取ることは、汗や尿として排出されてしまうので、こまめに少量ずつ水分を補給するようにしましょう。
またこの時摂取する水分は、糖分を含まない飲み物にする事が大切です。
ジュースやコーヒーは、別の口臭の原因を引き起こす可能性がありますので、水分補給にはNGです。
水分補給にはミネラルウォーターがいいでしょう。
口臭の多くは簡単なケアで防げます
口臭の多くは、日頃の簡単なケアで防ぐ事ができますが、虫歯や歯周病がある場合は、まず歯科を受診して調べてもらいましょう。
また口臭をすぐに改善したい場合は、口臭対策サプリメントを服用することもオススメです。
口臭対策サプリメントは、口臭の原因そのものに作用する働きがあるので、口内が原因の口臭にも体内が原因の口臭にもよく効くように作られています。
口臭が気になるけれど大事な会議がある、大事な人と会う、など口臭対策に緊急を要する時のために、口臭対策サプリメントを携帯しておくことも良いでしょう。
口臭を改善して、口臭を気にせず円滑なコミュニケーションが楽しめるようにしていきましょう。