お薬には要注意!口臭対策薬や、薬による副作用もご紹介

お薬には要注意!口臭対策薬や、薬による副作用もご紹介

口臭は老若男女問わず、悩みの種になります。

口臭で悩んでいる人の中には、もしかしたら普段飲んでいるお薬が原因で口臭が発生している可能性もあります。

病気を治すためにお薬を飲んでいるのに、そのお薬で口臭がしてしまっていたらとても困りますね。

どうしてお薬が原因で口臭がしてしまうことがあるのでしょう?

薬の副作用によって口臭が発生する場合も

病気を治すために飲んでいる薬ですが、薬には様々な副作用もあります。

その副作用の一つに口の中が乾く症状があるのです。

なぜ口が乾くと口臭がするのでしょうか?

薬の副作用によって唾液が減少し口臭の原因に

どのような薬でも副作用というものはあります。

薬を飲むと血中に含まれる薬の成分濃度が一時的に上がり、自律神経に作用し交感神経の働きを刺激するため、口喝という口の中が乾く副作用が出ることがあります。

口が乾くということは唾液の分泌量が減少しているのです。

口の中の唾液は口内環境を清潔に保つために、とても重要な役割をしているのです。

  1. 抗菌作用
    唾液に含まれるラクトフェリン・リゾチームなどの抗菌物質が、口内に棲んでいるさまざまな細菌や、外から入ったウイルスを殺菌してくれる作用です。
  2. 洗浄作用
    食べカスを洗い流して、口内を清潔に保つ作用です。口臭の抑制をしてくれています。
  3. 溶解消化作用
    食べ物を溶かし消化を助けて、味覚を促進させる作用です。味覚をサポートしています。
  4. 保護作用
    歯の表面に膜を張り、むし歯を防いでいます。舌や口内の粘膜を覆って、粘膜を保護しています。
  5. pHコントロール
    酸性やアルカリ性は水素イオン数値のpH(ペーハー)で表示されます。pHは1~14まであり、中性の時はpH7です。pH7より数値が大きければアルカリ性、小さければ酸性とされています。口内がpH7以下の酸性の状態であれば細菌が好む環境になり、口臭が発生しやすくなります。唾液は口の中のpHを一定に保ち、細菌が繁殖しないようにコントロールしています。

唾液が減少するということは、唾液の自浄作用も低下してしまい、口内に棲む細菌が活発に繁殖してしまうのです。

細菌は口内に残った食べカスなどを分解して悪臭ガスを発するため、これが口臭となってしまうのです。

口内が乾燥してなんとなくネバ付くときは、唾液の分泌量が減っているサインで、口臭がしている可能性が高いです。

薬が原因の口臭の場合は、投薬の終了が治ることがほとんど

日本は薬を常用している人がとても多いので、薬による副作用が原因の口臭で悩む人はとても多いのです。

唾液の減少による口臭を起こす可能性がある薬剤は、抗コリン薬が含まれていることが多いです。

抗コリン薬は、唾液の分泌をコントロールしている自律神経の副交感神経の働きを抑えてしまうので、唾液の分泌が減少してしまうのです。

抗コリン薬以外にも、以下の薬剤には口が渇く副作用の可能性があります。

  • 抗ヒスタミン剤
  • 抗アレルギー剤
  • 花粉症の薬
  • 風邪薬
  • 胃痛薬
  • 解熱鎮痛剤
  • 利尿剤
  • 抗不安薬
  • 抗うつ剤
  • 向精神薬剤
  • 睡眠導入剤
  • 降圧剤
  • 抗けいれん薬
  • 制吐剤

これらの薬を飲んでいる人は、薬の副作用による口の渇きが原因で口臭がしている可能性があります。

投薬が終了したら口臭が改善されることがほとんどですが、まだ病気の症状がある場合は自分の判断で勝手に投薬を中止せず、医師に口が乾くことを伝えて薬を変えてもらうことも1つの策です。

本来の目的とは異なるが、口臭対策になる薬も存在します。

口臭対策のための薬も存在します。

薬は薬事法の元で効果が確認されていますので、口臭には効果的です。

サクロフィールとメトロニダゾールとは

口臭対策の薬として、サクロフィールとメトロニダゾールがあります。

サクロフィール錠(エーザイ製薬)24錠入り356円(税込)/100錠入り1,058円(税込)

サクロフィール錠の成分
  • 銅クロロフィリンナトリウム
  • トウモロコシデンプン
  • dl-メントール
  • ケイ酸Mg
  • ステアリン酸Ca
  • 白糖

サクロフィール錠とは、飲んで口臭を消す薬としてエーザイ製薬より販売されている第3類医薬品です。

第3類医薬品なので、一般薬の中でも副作用や相互作用などの項目に安全性が高いため、医師や薬剤師の処方がなくても、ドラッグストアやインターネットなどで手軽に購入できます。

サクロフィールの主な成分は、植物に含まれる葉緑素クロロフィルから作られた銅クロロフィリンナトリウムです。

銅クロロフィリンナトリウムは一般的な胃腸薬に多く含まれている成分で、口臭を消すことと、胃酸過多や飲み過ぎで荒れた胃粘膜を保護して修復してくれる作用があります。

胃の消化不良で残った食物が腐敗して発生したガスや、腸内で溜まった便が腐敗して発生したガスが、血液に取り込まれて全身を巡り肺から呼気として出てしまうと口臭になります。

この口臭にサクロフィールは働きかけてくれるのです。

サクロフィールは15歳以上の成人の場合、1回3~4錠、1日1~3回、口臭が気になるタイミングで服用します。

15歳未満の小児は服用できません。

サクロフィールは、服用後15~30分で効果が表れ始め、3~4時間効果が持続します。

即効性がありますので、大事な予定があるのに口臭がしてしまう!という時などにはサクロフィールの服用がオススメです。

サクロフィールの副作用としては、軟便作用が現れることと、舌が緑色になってしまうことがあります。

舌の色は時間の経過で消えるので問題はありません。

メトロニダゾール

メトロニダゾールは、病院で処方される薬です。

フラジールやアスゾールという名前で呼ばれることもあります。

原虫や細菌のDNAを切断する働きがある抗菌薬で、嫌気性細菌感染症への薬として処方されています。

原虫や細菌が生命活動を行うためには、遺伝情報のDNAが必要です。

メトロニダゾールが作用することでヒロドキシラジカルという物質が生成されて、この物質がDNAを切断して、原虫や細菌の生命活動を阻止します。

メトロニダゾールは、原虫であるトリコモナスによる感染症や、アメーバ赤痢、ピロリ菌などの嫌気性細菌の感染症で処方されることが多いです。

本来の目的とは違うのですが、歯周病による口臭が強い場合は、メトロニダゾールが処方されることもあります。

口臭に効く漢方・サプリメントも

口臭に効果的な漢方薬も存在します。

漢方薬は、西洋薬のようにピンポイントで症状に働きかけるものではなく、未病と呼ばれる病気の一歩手前の状態から慢性疾患まで総合的な処方になります。

漢方では、気・血・水の3つの要素が私たちの体を安定して巡ることで健康が維持されていて、この3つのどれかが不足したり滞ったりすると、不調や病に繋がると考えられています。

冷えも熱も大事なサインであり、それぞれの症状に応じた漢方薬があります。

西洋薬に比べて副作用も少ないため、漢方薬での口臭対策も注目されるようになっています。

口腔外科でも漢方薬を取り入れる歯科医師も増加してきました。

体系や全身の症状、口臭の種類別で処方される漢方薬が違います。

口内の乾燥による口臭

体の水分が不足し、体が熱化します。

唾液の分泌量が減るので、口臭の原因になります。

体内に潤いを与えて症状を改善していきます。

滋陰降火湯(じいんこうかとう)

のどが乾燥している時、せき込むときなど、のどの潤い不足や弱った体力の改善をサポートします。

麦門冬湯(ばくもんとうとう)

漢方では咳や気管支炎のトラブルは、熱によって体の水分が失われたため喉が乾燥していると考えられています。

咳が長く続くときや、喉の乾燥からからぜきが続くなどの症状を緩和します。

粘膜や気道を潤すように促します。

実熱による口臭

漢方では実熱と呼ばれる、体の中の熱やエネルギーが過剰になった状態です。

実熱では、発汗・ほてり・炎症・のぼせなどがあり、熱性の症状を訴えることが多いです。

口内炎が出来やすくなる、口の渇き、のどの痛みなどがあり、顔も赤くなります。

このような熱性の症状の時に口臭の数値を出すと、硫化水素の値が高くなり、腐敗臭や卵が腐ったような臭いがします。

このような時は、漢方で体を冷やすように促します。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

漢方では、口内炎や頭痛などの症状は、体の上部に熱がこもっているからと考えられます。

余分にこもった熱は炎症を引き起こすので、体を冷やして熱を取り、炎症やイライラ・のぼせ・ほてりなどを改善します。

ムカムカする胃炎や二日酔いにも効果的です。

温清飲(うんせいいん)

皮膚の乾燥・のぼせ・更年期障害・ホルモンバランスの変動によって起こる心身の不調などの症状を緩和してくれます。

胃腸が弱ったことからの口臭

体が冷えると、心身ともに弱ってきます。

精神的に落ち込んでしまい自律神経にも影響してしまうのので、食欲不振になります。

このような時は、漢方で体を温めるようにします。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

生命活動の根源的エネルギーの源である気が不足した気虚に使われます。

全身倦怠感や心身ともに不調の時、体力が低下し、胃腸の機能が低下した時に、体の中から温めて、胃腸の機能を回復させます。

六君子湯(りっくんしとう)

漢方薬に含まれる人参・半夏・茯苓・朮・陳皮・甘草の6つの生薬を6人の君子に見立てて六君子湯の名が付いています。

みぞおちのつかえ・全身倦怠感・胃腸虚弱・胃痛の改善を促進します。

食欲がない時なども胃を元気にしてくれます。

また、飲み薬だけではなく、口臭に効くサプリメントを服用することもオススメです。

薬がちょうど切れている時なども、サプリメントであれば薬よりも手軽に購入できるためストックしやすいのでオススメです。

消臭効果だけでなく、胃腸の回復など、内臓に効くような成分が含まれているサプリメントだとより効果を期待できます。

薬・サプリ・漢方を服用する場合も、正しい歯磨きや食生活を大切に

口臭対策として、薬やサプリ、漢方薬を服用する場合も、日々の正しい歯磨きがベースになければ、なかなか口臭は改善されません。

まずは食事をしたら歯磨きをする、寝る前は丁寧に歯を磨く、を守ってください。

また食生活の改善は、口臭の改善に大きく繋がります。

口臭のためだけでなく健康のためにもバランスのとれた食事を取るようにして、食生活や生活習慣を改善していきましょう。