口臭の原因になる様々なガスの正体と対策

口臭の原因になる様々なガスの正体と対策

口臭は様々なガスが原因になって、口臭となっています。

口臭がガスというのは不思議な気がしますが、腸内でガスが発生したものがおならになっているように、口臭も口内や体内でガスが発生したことから口臭になっているのです。

では口臭になるガスは、どのようにして発生しているのでしょうか?その正体と対策を見ていきましょう。

口臭の原因になる様々ガス

口臭の原因になるガスはいくつか種類があります。

口の中の状態により発生するガス、鼻やのどの状態により発生するガス、内臓の状態により発生するガスがあり、それぞれで臭いも違ってきます。

口臭の主な臭い成分「硫化水素」は虫歯の原因にもなるガス

口臭の主な原因となる硫化水素(H2S)と呼ばれる物質は、口内に発生する歯垢や舌苔から発生します。

これらは揮発性硫黄化合物と呼ばれ、非常に強い悪臭です。

硫黄水素は強烈な臭いで、放置するとどんどんひどくなっていきます。

硫化水素とは、火山帯や温泉で発生している物質で、卵が腐敗したような臭いです。

この硫化水素はとても強い毒性があるガスで、濃度が濃いものだと死に至る場合がある物質です。

人間の口内から発する硫化水素は、ごく微量なので致死量には至りません。

しかし口臭がひどくなると硫化水素も濃くなりますのでスメルハラスメントになり、周りの人に迷惑をかけてしまいます。

硫化水素は、虫歯も大きく関係しています。

口内にいる細菌が食べカスを分解する時に硫化水素のガスを発生します。

細菌の中には虫歯菌のミュータンス菌も含まれています。

ミュータンス菌は食べカスに含まれる糖をエサにして、酸を出して歯を溶かしていきます。

酸で溶けた歯の穴に細菌が入り込み、硫化水素を発生させるので、虫歯と共にどんどん口臭も悪化していくのです。

歯周病が原因で「メチルメルカプタン」の割合が増加

口臭の原因で1番多いのが歯周病です。

歯を磨くと出血したり、膿が出たりする人は歯周病の可能性があります。

歯茎に歯垢が付くと、歯垢に棲む歯周病菌が発生する悪臭ガスが歯肉に当たり炎症を起こします。

進行すると、歯を支えている歯槽骨や歯周組織まで炎症が進むため、歯がグラグラしたりするのです。

この歯周病菌は、メチルカプタンを含む悪臭ガスを発生するため口臭がしてしまうのです。

このメチルカプタンを含む口臭は、卵の腐った臭いやドブの臭いと例えられるほどの悪臭です。

以下の項目に心当たりはありませんか?

  • 1日1回しか歯を磨かない
  • 歯石を1年以上取っていない
  • 歯に食べ物がよくはさまる
  • 歯を磨くと歯茎から出血する
  • 歯茎が下がってきた
  • 歯がグラグラする
  • 強烈な口臭がする
  • 口が良く乾く
  • 朝起きたときに、口の中がねばつく
  • タバコを吸う

当てはまる項目が多い人は、歯周病による口臭が出ている可能性があります。

うんこ臭いの正体は?腸内には口臭の原因になる様々なガスが関係している

毎日きちんと歯磨きをしているのに、口から強烈な口臭がする、それもうんこ臭い口臭がする時がありませんか?口からうんこの臭いだなんて、と思いますが、実はこのうんこ臭い口臭で悩んでいる人は多いのです。

実は、このうんこの臭いの口臭は腸内で発生するガスによって起こっています。

腸内環境が悪化し、腸内に存在する善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると菌交代が起こり、悪玉菌の勢力が優勢になります。

悪玉菌が腸内で発するガスが、口臭の原因となるガスです。

この悪臭ガスはメタンガスと水素ガスがあります。

この2つのガスが混ざりあって、腸壁から血液に取り込まれて全身を巡り、肺に達して気化され呼吸となります。

これが口臭の原因です。

この悪臭ガスの成分は、アンモニア・インドール・スカトール・揮発性アミンなどの含硫化合物や窒素化合物です。

これらは食べ物が腸内にいるウエルシュ菌や大腸菌により分解されてできた悪臭物質です。

腸内にこの臭い物質がたまると、さらに悪玉菌が増殖し、腸内環境が悪化する連鎖が起こります。

以下の項目に心当たりはありませんか?

  • 便秘症である
  • 肉を良く食べる
  • 野菜をあまり食べない
  • 運動不足である
  • 外食・コンビニのお弁当が多い
  • スナック菓子をよく食べる
  • インスタント食品をよく食べる
  • 飲酒をする
当てはまる項目が多い人ほど、腸内環境が悪化して口臭がしている可能性があります。

ガスの発生原因で口臭対策は変ります

口臭はガスの発生原因で臭いの種類も違ってきます。

対策もそれぞれ違いますので、ガスの発生別に対策を見ていきましょう。

口内から発生する口臭(ガス)は、歯磨きの見直しと水分摂取を

口内から発生しているガスが原因で起こる口臭は、虫歯や歯周病が原因です。

日本人の80%が歯周病に感染していると言われています。

口内のミュータンス菌が、食べ物に含まれている糖を分解して硫化水素などのガスが発生したり、歯周病菌が食べ物に含まれるタンパク質を分解した時にメチルメルカプタンなどのガスを発生します。

これらの口内から発生するガスが原因で起こる口臭は、正しい歯磨きをしていない可能性があります。

口臭対策のためには、きちんとした歯磨きをしましょう。

歯ブラシも、硬すぎず柔らかすぎない素材のもので、なるべく細かなところまで磨けるように小さめの歯ブラシを選びましょう。

正しい歯磨きの方法
  1. 歯ブラシをペンを持つようにペングリップで軽く持つ
  2. 横向きで歯にブラシの全面を当てる。

    この時、ブラシの半分は歯茎に充てるようにする

  3. 1~2本ずつの歯を小刻みに動かしながら磨いていく
  4. 歯ブラシを斜めにあてて、歯と歯茎の境目も磨くようにする
  5. 前歯を磨く時は、歯ブラシを縦にして歯ブラシの角を使って磨く

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも並行して使うようにすると、より口内の洗浄率がアップします。

また歯周病予防に特化した歯磨き粉を使うこともオススメです。

また口臭対策として、唾液の分泌量も大切です。

唾液に含まれるラクトフェリンなどの成分は口内を殺菌してくれる効果があります。

唾液の分泌量が減ってしまうと、口内は細菌の温床になってしまい、細菌がガスを発生して口臭の原因となってしまいます。

唾液は体内の水分で作られていますので、唾液の分泌量が低下したときは体内の水分量も低下している時です。

こまめな水分補給を欠かさないようにしましょう。

腸内から発生する口臭(ガス)は、食生活の見直しと消化を助ける栄養摂取を

腸内環境を腸内から発生する悪臭ガスによる口臭対策は、食生活の見直しが大切です。

そして消化を助けてくれる栄養分をしっかり摂っていきましょう。

腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やすこと、便を長時間腸にとどめておかないことです。

■食物繊維を摂って腸のお掃除!
腸内環境を整えるのに食べると良いオススメ食品は、野菜・豆類・海藻類などに含まれる食物繊維です。

日本人は食物繊維の摂取量が低く、どの年代でも基準値に達していないのが現実です。

気軽に食べられるファストフードやお菓子が多い食事ばかりしていると、腸内は悪玉菌だらけになってしまいます。

これでは口臭の原因は改善されませんので、しっかり食物繊維を摂るように意識していきましょう。

食物繊維は腸のお掃除をしてくれると言われ、体内の有害物質や腸内に溜まった老廃物をからめとりながら排便を促してくれるのです。

積極的に食事に取り入れていきましょう。

食物繊維には、消化管で吸収されずに腸まで届き、便がかさましされて刺激され腸の蠕動運動を活発にする不溶性食物繊維と、胃の中で粘性のあるゲル状に変わり、ゆっくり移動して糖質の吸収を防ぎながら腸まで届き、腸に滞留した老廃物や便をからめとりながら排便を促す水溶性食物繊維の2種類あります。

理想的な摂取バランスは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合が2:1です。

毎日の食生活に食物繊維を上手に取り入れていくことで、腸内を効率よくきれいにすることが出来ます。

不溶性食物繊維が多く含まれる食品
  • 豆類(いんげん、大豆、グリーンピースなど)
  • ブロッコリー
  • 葉物野菜類(モロヘイヤ、アシタバなど)
  • オートミール
  • エビの殻
  • ドライフルーツやナッツ
  • さつまいもなどのイモ類
水溶性食物繊維が多く含まれる食品
  • 海藻類(わかめ、昆布、もずくなど)
  • 果物(バナナ、アボガドなど)
  • 粘り気のあるキノコ類(なめこ、おくらなど)
  • こんにゃく

■乳酸菌で善玉菌を増やす!
人間の免疫細胞は腸で作られるため、腸は第2の脳とも呼ばれます。

腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やすことがとても大切です。

腸内には、善玉菌と悪玉菌と、もう一つ日和見菌という菌が存在していて、この日和見菌が腸内環境のバランスのカギになります。

日和見菌は腸内のおよそ7割で、善玉菌が増えると善玉菌の役割をして、悪玉菌が増えると悪玉菌の役割をするのです。

乳酸菌は腸内の善玉菌を増やす効果がありますので、日和見菌も善玉菌となって働いてくれるのです。

乳酸菌はヨーグルトなどに含まれている動物性乳酸菌と、植物に含まれている植物性乳酸菌があります。

動物性乳酸菌は、胃酸や熱に弱く、腸に届く前に死滅してしまうものが多いのですが、死滅した乳酸菌も無駄死にしているわけではなく、食物繊維と同じように、老廃物を吸着して排便を促してくれます。

植物性乳酸菌は、過酷の条件に強いので生きたまま腸まで届き、善玉菌のエサとなって繁殖を助けてくれます。

さらに悪玉菌と戦うことも出来るので、腸内にとってはとても頼もしい乳酸菌なのです。

動物性乳酸菌が多く含まれる食品
  • ヨーグルト(市販されているメーカーによっては植物性乳酸菌の場合もある)
  • チーズ
  • 発酵バター
植物性乳酸菌が多く含まれる食品
  • 漬物
  • 日本酒
  • 甘酒

■オリゴ糖の効果もプラス
オリゴ糖は善玉菌のエサとなるので、乳酸菌をオリゴ糖と一緒に取り入れると、よりその効果を発します。

乳酸菌と一緒にオリゴ糖を摂取するようにしましょう。

オリゴ糖が多く含まれる食品
  • はちみつ
  • ごぼう
  • にんにく
  • たまねぎ
  • 大豆類
  • バナナ
  • アスパラガス
  • りんご
  • キャベツ

ダイエットなどで不足する乳酸菌や栄養を口臭サプリで補う方法も

ダイエット中など、日々の食事から食物繊維・乳酸菌・オリゴ糖を取り入れていくことは難しい場合は、口臭サプリメントで補う方法もオススメです。

腸内環境が原因で起こる口臭に特化したサプリメントとしては、食物繊維と乳酸菌とオリゴ糖が同時に摂取できるタイプがオススメです。

サプリメントであれば、腸まで届いて聞くように作られていますので、腸内環境を改善するのにとても有効です。

さらに消臭効果がプラスされたサプリメントなら口臭対策も同時にしてくれます。

手軽に腸内環境を整えられるサプリメントも効率よく使っていきましょう。

口臭には様々なガスの影響が。原因を知って対策を

体内で発生するガスが影響で起こる口臭には、原因別に対策が違ってきます。

口臭の根本改善には、清潔な口内環境と腸内環境を整えることが重要です。

口臭がひどいと、コミュニケーションにも弊害が出てきます。

円滑なコミュニケーションを送るためにも、毎日コツコツと丁寧な歯磨きを徹底して行い、食生活を改善しながら腸内環境を整えて、意識的に口臭対策をしていくようにしましょう。