口臭に敏感な人は多いです。
悩みの口臭ですが、どんな感じで他人に口臭が伝わっているのかもなかなか確認もしづらいので、1人で悩んでしまう人が多いです。
そんな口臭にもきちんと原因があるのです。
その原因の1つに、口内が酸性に偏ると口臭がしやすくなる、ということがあります。
それはどのようなことなのでしょうか?
目次
口内が酸性になると口臭が発生する理由
体も酸性やアルカリ性が影響しているのは何となく聞いたことがあるかと思います。
口内も体内と同じように、酸性とアルカリ性の状態があります。
酸性やアルカリ性はpH(ペーハー)であらわされて値はpH1~pH14まであり、中性というのはpH7の時ですpH7より大きいとアルカリ性、pH7より小さいと酸性です。
口内はなぜ酸性になると口臭がしやすいのでしょうか?
酸性になると口臭の原因に
酸性食品は、体内に悪い毒素(酸毒)を残すと言われています。
酸性食品から出来る酸は、カルシウムなどのアルカリ性中和剤が必要になって来ます。
このため、酸性食品が骨粗しょう症の原因になると言われているのです。
酸性の状態では酵素の活性が高まります。
口臭を起こすバクテリアも活発になるのです。
虫歯菌も歯周病菌も、口内が酸性の状態で活性化して繁殖していきます。
口内に残った食べカスがあると、虫歯菌であるミュータンス菌は食べカスを分解する際に酸を発生して歯を溶かしていきます。
歯周病菌は、食べカスや歯垢を分解する際に毒ガスを発し、その毒ガスが歯肉にあたることで炎症を起こさせます。
虫歯も歯周病も口臭の原因になりますので、口内はバクテリアが繁殖しにくいアルカリ性の環境にする必要があります。
酸性化が進む食品に注意
酸性化が進む食品と言えばお肉・炭水化物・砂糖・加工食品などです。
酸性食品の肉類や魚介類など、タンパク質と呼ばれるものの多くには口内が酸性に傾く原因物質が含まれています。
酸性食品とアルカリ性食品の判定は、食品自体のpH値で判別されるのではなく、体内に取り込まれた後、消化吸収され代謝された結果に酸性なのか、アルカリ性なのか、と決められます。
- 小麦/パスタ
- チョコレート
- 落花生
- 牛肉/豚肉/貝
- 揚げ物
- チーズ
- 加工食品
- アイスクリーム
- ヨーグルト
- 砂糖
- ビール
- コーヒー
- 牛乳
これらの食品を過度に摂りすぎると口内が酸性に傾きますので、バクテリアが繁殖して口臭の原因になります。
特に砂糖は、口内に入れたときに強酸となるので口臭もよりきつくなります。
唾液の減少が酸性化を進め口臭の原因に
口内の唾液が減少すると、口内は酸性に傾きます。
唾液は酸性に傾くのを防いでくれる働きがあります。
その唾液が減少している人は、まず口内を潤わせることに意識してください。
そもそも、口臭がある時点で、唾液の分泌量が少ないということになります。
ドライマウスで唾液が少ないと、口内が長時間酸性のままになってしまうので口臭が発生します。
唾液の分泌量が低下すると、口内環境が酸性に傾きバクテリアが発生し繁殖してしまい、口内環境は悪化します。
唾液は、ある程度の酸を中和することが出来るので、口内が十分な唾液で潤っているようにしてください。
口臭の原因、口内の酸性化進めない為に
口内の酸性化は、口臭の原因に繋がります。
しっかり対策をしながら、口内が酸性に傾かないように注意していきましょう。
口内のバクテリアは、アルカリが苦手です。
アルカリ性の状態では、虫歯菌や歯周病菌は生きられないのです。
口内で何らかのトラブルが起きている時は、口内が酸性に傾いている可能性が高いです。
しっかりと対策をしていきましょう。
糖分を取りすぎない
砂糖などの糖分は、口内のバクテリアの大好物です。
これはバクテリアが糖分を食べるわけではなく、バクテリアが砂糖を分解して酸を作るのです。
砂糖分の多い食品を食べる人は、食事と食事の間に口臭がある人が多いです。
これはバクテリアが、残留した糖分やでんぷん質をゆっくり分解するので、口内で酸が発生してpH値が低下してしまうためです。
残飯を放置しておくと腐っていくのは、バクテリアが残版を分解して腐敗臭がするからです。
これと同じようなことが、口内で起こっているのです。
お菓子やジュースなどの砂糖が入った食べ物は出来るだけ控えましょう。
アルカリ性の食品を食べる
アルカリ性食品は、体内の酸を中和します。
私たちの体は、新陳代謝により酸が作られてしまいます。
体内が酸性化すると、体内に毒素(酸毒)が作られ、血液がドロドロになります。
これが口内で起こると、歯周病などの病気が悪化する原因になります。
アルカリ性食品を積極的に食べるようにして、体内の毒素をスムーズに流していきましょう。
- きゅうり
- にんじん
- トマト
- カリフラワー
- れんこん
- 大豆
- 酢
- 重曹・オリーブオイル
- ココナッツオイル
- バナナ、なし、レモン、ライム、ぶどう、すいか、めろん、キウイ、ブルーベリー、アボカド等
アルカリ性食品をしっかり食べて、口内だけでなく体内が酸性に傾くのを予防していきましょう。
唾液の分泌を高める
唾液と口臭は大きく関係しています。
唾液が十分に分泌されて口内が清潔な唾液で潤っている時は、口内の酸性化を防ぐことが出来るので口臭発生しません。
唾液には無機成分として、ナトリウム・カリウム・炭酸水素・無機リン・カルシウムが含まれるので弱アルカリ性なのです。
そして、有機成分として、酵素・免疫物質・抗菌物質・ムチンというたんぱく質が含まれるので、口内に唾液が十分潤っていると、細菌の増殖を防ぐことが出来るのです。
唾液は、消化酵素によって消化を助けたり、抗菌・殺菌の役割があります。
また自浄作用もあり、虫歯になる前に酸性化した歯にカルシウム・リンを補充して歯を再石灰化してくれます。
そして口内のpHを中性に保つことをしてくれるので、口内の酸性化を防ぎます。
- ラクトフェリン
- グラム陰性菌を含むすべての菌を殺菌する
- リゾチーム
- グラム陽性菌(口内に一番侵入してくる菌)、カンジダ菌を殺菌する
- アミラーゼ
- でんぷん質を分解する
- ヒスタチン
- 細菌やカビを撃退する
- ぺルオキシターゼ
- 細菌、ウイルスなどを殺菌し、有毒な過酸化水素を分解する
- パロチン
- 傷ついた舌や歯肉の粘膜を回復させる
- 免疫グロブリン
- 病原菌生物の粘膜への付着を阻止する
これらの抗菌作用が働き、口内の細菌を洗浄・殺菌してくれているのです。
唾液の分泌を高める方法を実践していきましょう
唾液の分泌量を高める方法
よく噛む
唾液の分泌量を高めるには、まず食事の時によく噛んで食べるようにしましょう。
現代では食事の時の咀嚼回数が大幅に減り、1回の食事での咀嚼回数の平均はおよそ600回と言われています。
昭和初期までは1回に1,400~1,500回咀嚼していたと言われるので顎の形も今とは全く違うのです。
咀嚼回数は、唾液の分泌量だけではなく体のあらゆる組織にも関係してきますので、毎回の食事で普段より2倍は噛む回数を増やすようにしましょう。
水分補給
唾液を出すには水分補給も必須です。
唾液の99.5%は水分です。
体内の水分が枯渇すると、唾液の分泌量も低下してしまいます。
こまめな水分補給をしながら、唾液の分泌を促していきましょう。
このときに摂る水分は、お水が最適です。
ジュースやコーヒーだと、口内が酸性に傾いてしまい口臭の原因になってしまうのでNGです。
舌を動かす
舌を前歯の前に置いて、歯の周りをくるっと1周するようにして、逆周りも行います。
これを3回ずつ行い、1日5セットするとかなりの舌の運動になります。
舌を良く動かす人は唾液が出やすくなります。
舌を出したり引っ込めたりするだけでも、舌にはかなりの刺激になり唾液が出てきます。
毎日舌の体操を行い、舌の筋肉も鍛えていきましょう。
唾液腺マッサージをする
耳下腺・顎下腺・舌下腺という唾液腺を、軽くプッシュしたり、3本の指をあててくるくる動かしたりしながら、唾液の分泌量を促していきましょう。
ガムを噛む
ガムを噛むことは、咀嚼するため唾液の分泌量が高まります。
この時のガムは、砂糖が入っていると口内が酸性に傾きますので、キシリトール入りのシュガーレスガムを噛むようにしましょう。
ストレス解消をする
緊張したり過度のストレスがかかると、唾液の分泌量は低下して口内は乾燥してしまいます。
これは、ストレスが自律神経に作用し、唾液の分泌量に影響してしまうからです。
ストレスが溜まったなと思ったら、ゆっくりお風呂に入る等してリラックスする時間を設けて下さい。
酸性に偏ると口臭の原因です。食事と口内のケアを大切に
口内が酸性に偏ると、口臭がする原因になってしまいます。
口内が酸性になるには、バクテリアが食べカスを分解して酸を出すからです。
口内に食べカスを残さないようにしっかり日々の歯磨きをしていくことも重要です。
食べカスは、歯と歯の間、歯と歯茎の境目などにも残りがちなので、しっかりと丁寧に歯磨きをしていきましょう。
また歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、口内の洗浄率はぐんとアップしますのでオススメです。
食事と口内のケアをしっかりして清潔な口内環境を保ち、口臭の発生を防ぎましょう。