口臭で悩んでいる人はとても多いです。
でも人に聞くのも聞きづらいので、口臭の悩みは1人で抱えていることが多いのです。
逆にすごく口臭がある人でも、自分の口臭にはあまり気付かない人も居ます。
口臭の症状も原因も様々です。
自分の症状がどのような症状なのかで、口臭の対策も違ってきます。
口臭対策で何をしていいのかわからないという人のために、タイプ別に症状を見ていきましょう。
目次
口内が原因の口臭とは
口臭の原因のほとんどは口内にあると言われています。
口内には、300~700種類の細菌が棲んでいると言われます。
歯を良く磨く人で1000~2000億個、歯をあまり磨かない人で4000~6000億個、歯をほとんど磨かない人は1兆個の細菌が棲みついています。
口臭にはこの細菌が関係しているのです。
口臭の原因その①ドライマウス
ドライマウスとは、舌が乾く、喉が乾くなどの症状のことで、ドライマウス症または口腔感染症と言います。
ドライマウス症の人は、口内が乾燥して唾液の分泌量が低下します。
以下の項目に当てはまるものがいくつあるでしょうか?
- 口の中が乾燥する
- 喉がかわく
- 乾いたものが食べにくい
- 虫歯や歯肉炎になりやすい
- 舌が白くなっている
- 口内炎・口角炎がよくできる
- 膿栓が出来やすい
- 口腔カンジタ症になる
- 口臭がする
これらの症状は、ドライマウス症の症状です。
口やのどが渇く原因としては、唾液の分泌量が少ないことと、口呼吸をしていることが挙げられます。
口呼吸をしていると口内に空気が通ってしまうので、唾液が蒸発しやすくなり口内が乾燥します。
唾液で口内が潤っている時には、口内のpHは中性値ですが、ドライマウス症の人の口内はpHが酸性に傾くため、細菌が増殖します。
ドライマウスは、以下のような原因でも引き起こされます。
- 疲労
- ストレス
- お酒の飲み過ぎ
- 喫煙
- 口呼吸
- 特定の薬の副作用
口臭の原因その②食べカス・磨き残し
食べカスとは、食事をした時に歯や舌、口の中に蓄積された飲食物のかけらです。
口の中に棲む細菌は、この食べカスをエサにして繁殖します。
細菌が食べカスを分解する時に発する悪臭ガスが、口臭になるのです。
食べカスは、歯磨きでしっかり洗浄しなければ、口の中に溜まり続けます。
また歯磨きが適当だと、きちんと口内が洗浄されないため、磨き残しの食べカスが口の中に溜まり続けます。
食事のあとはきちんと歯磨きをして、口内を洗浄しましょう。
口臭の原因その③歯周病
歯周病は口臭の原因のNO.1です。
現代の日本では40代の人のおよそ80%が歯周病であるとされています。
歯周病菌は、口の中にある食べカスや細胞が剥がれ落ちたものを分解します。
その際毒ガスを発するのですが、その毒ガスが歯肉に当たり炎症が起きるのです。
炎症が進行すると歯を支えている歯槽骨や歯周組織に炎症がおよび、最終的には歯を失う可能性のある怖い病気です。
歯周病が進行すると、歯周ポケットという歯と歯茎の境目の溝がどんどん深くなります。
歯周ポケットの深さが2mm以上の時は歯周病になっている可能性が高いです。
歯周ポケットの中には、炎症によってにじみ出た浸出液という血液などの液体が溜まっていきます。
この液体が、歯周病菌のエサになります。
そのため、歯周ポケットが出来ると、歯周病菌が増えて、どんどん歯周病は悪化していきます。
歯周病菌が歯根に侵入すると、歯を支えている歯根膜や歯槽骨を溶かします。
歯周病は悪化するにつれ口臭もひどくなっていきます。
歯周病の1番の症状は口臭なのです。
口臭の原因その④舌苔
舌が白くなる症状を舌苔と言います。
舌の表面は、糸状乳頭というじゅうたんのようなもので覆われています。
そこに細胞が剥がれ落ちたものや、食事の食べカスに細菌が付着したものが苔状になり舌に白く付着しています。
これが舌苔です。
またドライマウス症の人や口呼吸をしている人は、唾液が減少して口の中が乾燥するので細菌が喜ぶ環境になり、舌苔が出来やすくなります。
舌苔も口臭の原因になります。
また、舌苔が出来ると有害物質であるアセトアルデヒドの濃度が高くなります。
舌苔の表面積が大きいと、舌やのどの癌になる確率が高くなるという研究発表もありますので、舌苔を付かないようにすることは口臭のためだけでなく健康のためにも重要です。
舌の表面には、約5000億個の細菌が棲みついています。
これは肛門の細菌の数よりも多いのです。
それだけ口の中は汚れているのです。
舌苔は、暴飲暴食をしたり睡眠不足など生活習慣の乱れにより出来やすくなります。
また免疫力が落ちている時にも舌苔が出来やすくなりますので注意してください。
口臭の原因その⑤臭い玉
くしゃみをした時などに、手に何か黄白い塊が着いた経験がないでしょうか。
この正体は臭い玉と呼ばれる膿栓です。
喉の奥にある扁桃腺は、粘膜内に侵入してきた細菌やウイルスを殺し、体内への侵入を防いでいます。
扁桃腺の粘膜には穴があり、その穴の中に細菌や白血球の死骸、食べカスなどが集まって膿栓が出来上がります。
膿栓が出来ると、喉に何か詰まる感じや、以外がする感じがします。
膿栓にも細菌が繁殖するので、次から次へと膿栓が出来てしまいます。
口内が原因の口臭対策
口内に原因がある口臭は、日ごろからの予防や対策で軽減することが出来ます。
自分で出来る口臭対策をしっかりしていきましょう。
口臭の原因ドライマウスを防ごう
口内の唾液の分泌量が低下すると、細菌が繁殖しやすいドライマウス症になってしまいます。
唾液には口の中を洗浄・殺菌する効果がありますので、唾液の分泌量を促す対策をしていきましょう。
水分をこまめに補給する
唾液は99.5%が水分で出来ています。
唾液は1日に1.5L~2Lほど分泌されます。
水分はこの唾液分は補給する必要があります。
体内から水分が不足すると、唾液の分泌量も低下します。
こまめに水分を補給するようにしましょう。
またこの時摂取する水分は、お水が最適です。
ジュースやコーヒーなどは別の口臭の原因になってしまうので、水分補給には適しません。
食事の時によく噛むようにする
食べ物をよく噛むと、唾液腺が刺激されるので唾液の分泌量が促進されます。
唾液腺マッサージをする
唾液腺は耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つがあります。
中でもさらさらした唾液を作っているのは耳下腺です。
人差し指から小指までの4本指を耳の下に充てて、くるくると円を描くようにマッサージします。
ガムを噛む
食事と食事の間はどうしても空腹になり、生理的口臭として口臭が発生します。
ガムを噛むと唾液の分泌を促しますので、空腹時にガムを噛むことはオススメです。
この時噛むガムは、キシリトール入りのガムがオススメです。
長く味が楽しめるハードタイプのガムだと長い時間噛むことが出来ますので、キシリトール入りのハードガムを20分ほど噛むようにしましょう。
上記の方法はどれも手軽にできるものです。
さっそく実践して、さらさら唾液の分泌を促していき、ドライマウスを予防しましょう。
歯周病の原因になる食べカスを残さない正しい歯磨き
歯周病の原因になる食べカスと歯垢を歯磨きで除去すれば、歯周病を予防することが出来ます。
正しい歯磨きの方法で歯垢を確実に除去して、口内を清潔に保ちましょう。
歯磨きは朝・寝る前はもちろんですが、毎食後に磨くタイミングが取れればぜひ毎食後、食事の後に歯磨きをしてみて下さい。
就寝中は細菌が一番繁殖する時間帯ですので、起床後はすぐに歯磨きをしましょう。
起床後に歯磨きをせずに朝食を食べる人は、就寝中に繁殖した細菌にエサをあげるようなことなのでNGです。
歯ブラシの選び方
歯ブラシの硬さは、柔過ぎず硬すぎずの歯ブラシを選びます。
ブラシ部分は自分の歯2本分くらいの大きさが理想です。
正しい歯磨きの方法
- 歯ブラシを、鉛筆を持つ要領で軽く握る
- 歯ブラシの毛先を歯にあてて、歯ブラシを小刻みに動かしながら1~2本ずつ磨いていく。この時歯ブラシの毛先が開かないように力を入れずに磨く。
- 前歯を磨くときは、歯ブラシを縦に持ち、歯ブラシの角を使いながら磨いていく
- 歯と歯茎の境目には、斜め45度に歯ブラシをあてて歯周ポケットも磨くようにする
上手に磨けない人は、電動歯ブラシを活用するのもオススメです。
デンタルフロス、ワンタフト歯ブラシを使ってより美しく
歯ブラシだけでは、どうしても歯と歯の間に詰まった汚れは落としにくいです。
歯磨きが歯ブラシだけの場合の歯垢除去率は60%ですが、歯ブラシとデンタルフロスやワンタフト歯ブラシを併用すると、歯垢除去率は81%にまでアップします。
デンタルフロスは、歯と歯の間の汚れを落とすのに最適です。
デンタルフロスの糸が歯に引っかかりやすい場合や糸が切れる場合は歯科に相談してみて下さい。
虫歯になっている可能性があります。
デンタルフロスは、衛生上1度使ったものは使わないようにしてください。
(1回の使い捨てです)
歯周ポケットや歯並びの悪いところ、ブリッジを入れた部分、生えきっていない親知らず、上野前歯の裏側などは、通常の歯磨きでは磨きの腰が多い部分です。
これらの磨き残しが多い箇所を、ワンタフト歯ブラシを使って歯磨きするのもオススメです。
予防歯科先進国のスウェーデンでは、ワンタフト歯ブラシをメインに歯磨きをしているのです。
ワンタフト歯ブラシは、ピンポイントで洗浄できるので、隅々まで磨けるのです。
歯磨きでの洗浄率を上げるには、まず始めにワンタフト歯ブラシで歯を磨き、その後通常の3本列の歯ブラシで磨くようにします。
スウェーデンではこの歯磨き方法は30年前から浸透しています。
ワンタフト歯ブラシは細かいところまで磨けるので、歯垢が落としやすいのです。
- ワンタフト歯ブラシを、ペングリップで軽く握る
- 歯と歯茎の境目をなぞるように磨く
- 前歯の裏側を磨く
- 生えかけの親知らずを磨く
- ブリッジを磨く(ポンティックと呼ばれる人口の歯の隙間部分を磨く)
- 歯茎が下がって、歯の根っこが見えている部分を磨く
舌苔を掃除しよう
舌に細菌や汚れが付着した舌苔は、ただ単に歯が白くなるだけでなく口臭の原因になります。
しかし、この舌苔は歯ブラシでゴシゴシこすって落とすのはNGです。
ゴシゴシこすると、舌の表面にある糸状乳頭を傷つけてしまい、またその傷つけた糸状乳頭のかけらが舌に落ちて細菌のエサとなるため、さらに舌苔が厚くなっていくのです。
舌磨きをしすぎると、舌がぴりぴりするようになり味覚症状になる可能性があります。
舌苔を掃除するには、舌に負担のない形で落としていきます。
舌苔を落とすには以下の方法がオススメです。
舌ブラシを使う
知らブラシは普通の歯ブラシよりも柔らかい素材なので、舌を傷つけません。
舌を上あごにこすりつけて落とす
舌を上あごにこすりつけて、舌の表面をごしごしとこすりつけて落とします。
はちみつを舐める
市販のはちみつを小さじひとすくい、舌にのせて転がすようにします。
はちみつに含まれるプロテアーゼという酵素が舌苔を分解してくれます。
だし昆布で取る
だし昆布を1㎝角に切って、舌の上で転がすようにしながら舌苔をからめとり落としていきます。
だし昆布は唾液の分泌も促してくれるので、舌苔を唾液で洗浄してくれる意味もあり一石二鳥です。
重曹うがいをする
コップ1杯のお水に、重曹を小さじ半分入れてよく混ぜます。
この重曹水で口の中をうがいします。
ガラガラとうがいするのではなく、口に含んでくちゅくちゅと10秒ほどうがいしましょう。
舌は表皮よりごくごく薄い粘膜でおおわれています。
絶対にゴシゴシ落とすのではなく、上記の方法で優しく舌苔を落としていきましょう。
口臭の原因の約8割が口内に原因が
虫歯や歯周病などで起こる口臭。
口臭の原因の約8割が口内に原因があると言われています。
口臭予防に、毎日の丁寧な歯磨きは欠かせません。
また唾液の分泌量を促すことも大切です。
口内が乾燥しないように、清潔な唾液で潤っている状態を保ちましょう。
また生活習慣の改善もとても重要です。
不規則な生活は、唾液の分泌をつかさどる自律神経が乱れる原因になります。
口臭が発生しやすい人は、意識して生活習慣も改善していきましょう。