アセトン臭と聞くと糖尿病の人が発する特有の臭いとして知られていますが、実は、糖尿病の人だけがアセトン臭を発するとは限らないのです。
アセトンは体の中でも生成される物質で、誰もがアセトン臭を発してしまうというリスクを持っています。
つまり、アセトン臭がするから糖尿病かもしれないというのは違います。
とりあえず糖尿病じゃない可能性もあるから一安心と思うかもしれませんが、アセトン臭は臭いので安心している場合ではありません。
ここではアセトン臭の原因や対策方法についてご紹介するので、是非アセトン臭を克服しましょう。
目次
アセトン臭ってどんな臭いがするの?そもそもアセトン臭って?
アセトンは体内でも生成される物質で、代謝の過程で誰もが体内で作っています。
生成される量は人により異なりますが、自然に体内で作られて代謝されているのです。
また、女性にとって馴染みの深い除光液にもアセトンフリーの商品が最近話題なので、アセトンという言葉自体はご存知の方も多いと思います。
一方で、アセトンとは常温では無色の液体で、除光液や接着剤に使われる有機溶媒としても知られています。
アセトンフリーのほうが爪に優しいので、アセトンとは体に良くないと思っている人も多いでしょう。
しかし、有害だと思っていたアセトンが体内で生成されているというのには驚きですよね。
アセトン臭はどんな臭いがするの?
アセトン臭とは、甘酸っぱい臭いです。
例えば、リンゴが腐ったような臭い、柿が腐ったような臭い、など果物が腐った臭いに例えられることが多いです。
極端なダイエットで糖質制限や断食をした時に、口臭や体臭が強くなることがあります。
この場合もアセトンなどのケトン体が原因となっているため、口臭や体臭が甘酸っぱくなります。
実は、ダイエット臭とも呼ばれるこの臭いは、ダイエットや断食で極端に食事制限や糖質制限をすることで発生してしまいます。
糖質制限ダイエットでも「ケトン臭」が発生
糖質制限ダイエットや、断食など無理な食事制限をするダイエットでも糖分が不足するので、糖尿病と同じようにブドウ糖からエネルギーが作り出せなくなります。そのため、体内でケトン体が作られるようになります。
糖質制限ダイエットや断食をしている人が独特の口臭や体臭がしてしまうのは、このケトン体によるケトン臭が発生するからなのです。
アセトン臭とケトン臭の違いってなに?
アセトンとは、体内でつくられる3種類のケトン体の1種類です。
体内で作られるケトン体はアセトンの他にはアセト酢酸・βヒビロキシ酪酸があります。
ダイエットや断食などをしていて、体内に入る糖質が少なくなると、体内でブドウ糖が不足します。
すると体は飢餓状態と判断して、ケトン体を大量に発生させます。
それがケトン臭ですが、アセトン臭とケトン臭はよく似ています。
もちろん断食がきっかけで発生しているケトン臭などは断食が終了すれば解消されるので一先ず心配は無用です。
しかし、断食をしていないのにケトン臭・アセトン臭がする場合は注意が必要です。
呼気・口臭からアセトン臭が臭うのは代謝異常のサインかも!?
私たちが代謝をするときに、体内で発生するのがアセトンです。
もちろん、血液の中にもアセトンが入っています。
しかし、何らかの状態で代謝が良くない場合、呼気や口臭からアセトンが出てしまうのです。
口臭が甘酸っぱいアセトンの臭いかも?と感じたときは、代謝が悪くなっているかもしれません。
アセトン臭が発生する4つの原因!
断食をしていないのに口臭が甘酸っぱい臭いだったとしたら原因があります。
口臭や体臭がアセトン臭になるには主に4つの原因があります。
糖尿病が原因になっているかも!?
糖尿病の人は、口臭や体臭がアセトン臭になります。
体内にブドウ糖が不足すると、体はエネルギー不足になり飢餓状態を感じるため、脳が肝臓へ糖の代わりになるケトン体を作り出すように指令を出します。
ケトン体は、脂肪が分解される際に肝臓で生成されます。
ケトン体が血液を巡り全身に届いて気化され、口臭や体臭として臭いを発するのです。
その際血液中にもケトン体が増えているということになりますので、糖尿病が進行しているというサインになります。
また血糖値が適切にコントロールされていないことになりますので、口臭や体臭がアセトン臭の人は注意が必要です。
過度な運動や極端過ぎるダイエットによる糖質不足
激しすぎる運動は、多くのエネルギーを必要とします。
エネルギー補給をしないまま急激に体内のエネルギーを消費すると、体内は糖質が枯渇してしまい、脂肪を分解してケトン体を作り出すようになってしまいます。
また、最近はダイエット法として広まっている糖質制限をしている人も多くなりました。
極端に糖質制限をすると体内に糖分が入ってこなくなり、体に必要なブドウ糖が不足してしまうので体内でケトン体が作られてしまいます。
これが、糖質不足によるダイエット臭です。
肝臓の病気が原因になっているケースもあり?
肝臓の病気には、肝脂肪・肝硬変・肝臓がんなどがありますが、肝臓の機能が低下していくと、口臭を発生させてしまうのです。
肝臓は、食べ物の消化を助ける胆汁を作り、栄養素の処理や著状をして、胆管・胆のうから十二指腸に排泄する役割があります。
他にも炭水化物の代謝、脂質・タンパク質の代謝、アンモニアを尿素へ変換したり、解毒の役割もあります。
肝臓は内臓の中でもさまざまな重要な役割をしています。
慢性肝炎などで肝臓の働きが低下すると解毒できなくなってしまい、分解しきれない物質がアセトン臭・メルカブタン臭となります。
その臭いが血液中に混ざって血液を巡り、肺まで届き呼気として口臭になってしまいます。
このときの口臭はネズミ臭がすると言われ、口の中が苦く感じます。
沈黙の臓器とも呼ばれていて、肝臓に疾患が出始めても自覚症状がありません。
慢性肝炎の場合、自覚症状がないまま数十年かけてじわじわと進行していきます。
体がだるい、微熱、口臭がきつくなったと感じたら、早めに病院の受診をした方が良いでしょう。
また、肝臓が原因の場合は肝臓のサプリを飲む事も得策なので覚えておきましょう。
子供のアセトン臭は小児糖尿病や自家中毒が原因の可能性あり!
子どもの口臭や体臭から、甘酸っぱいアセトン臭がすることがあります。
子どものアセトン臭は大人のアセトン臭とは原因が違い、病気が原因となっている場合があります。
小児糖尿病
子どもでも糖尿病の危険はあります。
糖尿病は、肥満や生活習慣が原因ではない1型糖尿病と、肥満や生活習慣が原因である2型糖尿病があります。
大人の糖尿病は2型が多いのですが、子どもの糖尿病は、肥満や生活習慣が原因ではない1型糖尿病の可能性が高いのです。
これは小さい子供でも糖尿病にかかる可能性がありますので、子どもの尿からアセトン臭がしたときは様子を見ながら病院の受診をオススメします。
自家中毒
子ども特有の病気に、自家中毒があります。
体内のアセトンが増えることよにって、吐き気・嘔吐の症状が起こります。
アセトン血性嘔吐症といって、顔色が悪くなり嘔吐が頻繁に起こります。
2~6歳までの子どもに多く見られる症状です。
この症状が出ている時は、血液中のアセトンの量も増えてしまうため、口臭・体臭・尿がアセトン臭になってしまいます。
ストレスや緊張が原因で体内のアセトン量が増えるのではないかと言われていますが、はっきりとした原因は明らかになっていません。
アセトン臭を感じたら行なうべき3つ対策方法!
口臭からアセトン臭がする時は、背景にいろいろな病気が隠れているかもしれません。
では、口臭や体臭からアセトン臭を感じた時に行うべき3つの対策方法をご紹介致します。
病院でしっかり検査を行ってもらう!
口臭からアセトン臭を感じたら、自覚症状はなくとも、いつもと違う体の状態になっている可能性があります。
口臭や体臭から甘酸っぱい臭いがするようになったと感じたら、病院を受診してみましょう。
まずは、内科や内分泌化を受診しましょう。
口臭はアセトン臭がしている時は、体内部に原因があることも多いので、しっかり検査をしてもらうことが病気の早期発見につながるかもしれません。
バランスの良い食事やエネルギー補給をしっかり行なう!
近頃は糖質ダイエットも流行していて、無理なダイエットをする人も増えてきました。
せっかく痩せても無理にダイエットをすることによって口臭がきつくなってしまっては、あまり印象も良くありません。
ダイエット中も、ただ単に食事を減らしたり制限するだけではなく、栄養バランスの良い食事や、エネルギー補給を行いながら適度な運動をするようにしましょう。
また糖質を減らすことは、冠状動脈性の心臓疾患のリスクも高まります。
糖質を制限してしまうと、脂質の摂取割合が高くなってしまうので、病気のリスクが高まるのです。
無理なダイエットは、口臭だけでなく体の為にもNGです。
消臭サプリメントで口臭対策をする
アセトン臭が原因で口臭が臭くなっている場合、自分では気づかないという事はもちろんですが、他人には以外と臭っています。
アセトン臭による口臭は独特な臭いがするので早めに対処しておかないと、同僚や部下、知り合いから臭い人のレッテルを貼られてしまう場合があります。
もし、体は健康だと思うけど臭いが気になるという場合は口臭サプリメントランキングをチェックしてください。
口臭対策サプリメントのおすすめは?ランキング形式でまとめてみたおしっこから臭うアセトン臭にも要注意!
体内のアセトンが増えると、呼気や汗からもアセトン臭が出てしまいますが、尿からもアセトン臭が排出されます。
尿が甘酸っぱいアセトン臭がするようになった場合は注意が必要です。
尿が臭いだけであれば、トイレで流せば済むので他人には気づかれないと思うかもしれませんが、尿からアセトン臭がしている時は、口臭や体臭、全身からアセトン臭を発している可能性があります。
糖尿病や、代謝の異常だけでなく、尿の臭いで早期発見できる病気もありますので、尿からアセトン臭がする場合は、早めに病院の受診をして原因を突き止めることをオススメします。
口臭をきっかけに健康管理を今一度見直そう
昔から、病気の人には特有の臭いがあると言われていたくらい、口臭は健康管理を表すバロメーターの1つです。
全てが体臭=病気、というわけではありませんが、そもそも病気になると健康な時とは違い体内物質や血液の巡りが変化しています。
たかが口臭、と放置することなく、体調の変化のサインだと受け止めて意識的に健康管理をしていくことが大切です。
また必要なタイミングで病院の受診をすることもオススメです。