口臭は大人だけの悩みではありません。
中学生の子どもの口が臭い…と感じたことはないでしょうか?
思春期の時期は肉体的に大きく変化する時期です。
思春期特有の口臭にはちゃんと原因があります。
多感な中学生のお年頃、口臭を気にして内気になってしまったり、いじめの原因になることもあります。
親だからこそ出来るケアもありますので、思春期のお子さんの口臭について、詳しくご説明します。
目次
成長期の子どもから口臭!考えられる原因について
思春期になると、肉体面では急激に大人の体へと変化していき、その反面、精神面はまだまだ子どもの部分もあり、精神的にとても不安定になります。
自立したいという意思も芽生えて来ますが、まだ中学生なので実際に親から自立出来ない現状があり、様々なことで葛藤しています。
また、肉体とともに性的にも成長するので、異性への興味が出始める時期でもあり、精神面はさらに不安定になっていきます。
そんな中で口臭や体臭は中学生にとっても気になる要素、人からよく思われたいという気持ちも強くなってくるので、口臭や体臭はダメージになってしまうと思っています。
思春期特有の口臭はホルモンバランスの変化
思春期になると体の変化と心の変化で精神的にはストレスを受けやすくなります。
口内の唾液の分泌は自律神経が司っているのですが、ストレスを溜め込むと自律神経の乱れが生じて唾液の分泌量が減少してしまうのです。
唾液の分泌量が減少すると、口内が乾燥してしまい細菌が繁殖しやすい状況になります。
繁殖した細菌は、口内のタンパク質をエサにして分解する際に硫黄化合物などの悪臭ガスを発します。
これが口臭の原因になってしまうのです。
さらに自律神経の乱れから胃腸の働きも低下してしまうことになり、ダブルで口臭の原因になってしまうのです。
口呼吸によるドライマウス
お子さんの口が開いていることが多いと感じることはないでしょうか?
近年の子どもはあまり硬いものを食べなくなっており、咀嚼回数が減ってきています。
そのため、口元が緩みがちになっています。
口で呼吸をする癖がついているお子さんは、鼻呼吸ではなく口呼吸をしている可能性があります。
口呼吸をすると口内にダイレクトに空気が通りやすくなり、唾液が蒸発してしまいます。
すると口内が乾燥しドライマウスの症状になってしまいます。
口内が乾燥すると細菌が繁殖しやすい状況になってしまうので、口臭が発生してしまいます。
お子さんの口が開いていたら、また口が開いているよ、と優しく注意してあげましょう。
歯磨きが不足している
お子さんの口臭は、歯磨き不足も原因であることも多いです。
口内には約500~700種類の細菌が棲んでおり、歯磨きをきちんとしている人で約2,000億、歯磨きをきちんとしていない人では約4,000億〜6,000億もの細菌が潜んでいると言われています。
歯磨きをしっかりしていないと、口内の細菌の量は増えてしまうと、口臭だけでなく虫歯や歯周病になってしまうリスクが高くなります。
虫歯や歯周病も口臭の原因になってしまうので、お子さんの歯磨きが雑であると感じたら一緒に歯磨きをしてみて、お子さんも口腔ケアに意識が向くように促していきましょう。
舌、口内が汚れている
お子さんの口内環境が良くないと、舌や口内が汚れている可能性があります。
お子さんの舌を歯磨きの時にチェックしてみて下さい。
舌が白いコケで覆われていないでしょうか。
舌の表面は糸状乳頭というヒダヒダ状のもので覆われており、食事の食べカスや口内の剥がれ落ちた細胞が糸状乳頭に付着しています。
食べカスなどに含まれるタンパク質は口内細菌の大好物であり、舌に細菌が繁殖してしまうのです。
これが舌苔という症状です。
舌苔も口臭の原因になってしまいます。
また、口内が汚れていたり、細菌やウイルスが喉に入り込んだりすると、体は異物と戦うために喉の扁桃から粘液状の免疫物質を発します。
この免疫物質が細菌やウイルスが混ざりあったものが膿栓です。
膿栓は細菌の塊でもあるので、口臭の原因になってしまいます。
舌苔も膿栓も、無理に取ってしまうのはNGです。
うがいをすることは、舌苔と膿栓の除去や予防にとても役立ちます。
かぶせ物の中で虫歯が再発
お子さんは虫歯の治療をした経験がないでしょうか?虫歯は治療をしたから安心、と思わない方がいいでしょう。
虫歯の治療をして銀歯などの被せ物をしている歯からは口臭がしている可能性があります。
しかも、被せ物は歯茎の状態によって変化しています。
銀歯などの被せ物は経年劣化して行くものですし、歯茎の厚みも日々違います。
特に成長期の子どもであれば口内も変化していきます。
銀歯などの被せ物と歯茎・歯肉の間にはどうしても隙間が出来てしまいます。
その隙間から細菌が侵入し、銀歯の中で虫歯になってしまうことがあります。
また銀歯などを被せている歯の治療では歯の神経を取っている可能性も高く、その場合虫歯が進行しても痛みを感じることはありませんので、虫歯は気づかないうちにどんどん進行していくのです。
この虫歯を二次カリエスと言います。
この時銀歯内部で細菌が繁殖し、ゆで卵のような臭い、膿臭、腐敗臭などの口臭がします。
お子さんの口臭がこのような腐敗臭がするようであれば、早めに歯科を受診しましょう。
キスで虫歯菌や歯周病菌に感染している
生まれたばかりの赤ちゃん〜乳幼児は、もちろん虫歯もなく健康な口内環境です。
しかし、多くの人は、虫歯菌や歯周病菌は乳幼児期に母親経由で感染しています。
これは、母親が食べたものの残りを子どもに食べさせたり、お子さんに愛情表現としてキスしたりすることで感染してしまうのです。
子供の口臭の対策方法
子どもの口臭の対策方法は、子ども任せにしない事もポイントです。
親がサポート出来ることは大きいので、まずは親子で一緒に出来ることから口臭ケアに取り組んでいきましょう。
親子そろって健診を受ける
子どもの口臭が気になる時は、親子そろって歯科検診を受けることをオススメします。
お子さんだけが1人で、口臭の相談として歯医者に行くのは少しハードルが高いでしょう。
親もきちんとした口腔内の知識が必要です。
口臭は家族で取り組みたい事案でもありますので、まずは歯医者さんへお子さんと一緒に行ってみて下さい。
歯科できちんと検診を受ける事で、口臭の相談だけでなく、虫歯や歯石、歯周病の早期発見にも繋がります。
歯科トラブルは早期発見する事で治療もスムーズに出来ます。
歯科検診後は日々の歯磨きで磨き残しがある部分を教えてもらい、歯磨き指導を受けてホームケアに生かすようにしましょう。
お子さんが口臭を気にしすぎる場合は、口臭外来のある歯科を受診して客観的な意見をもらってみるのも良いでしょう。
口臭外来では口臭の度合いを確認するだけではなく、口臭対策についてのアドバイスも受けられるので、日々のホームケアに生かしやすい情報を知ることが出来ます。
家族みんなで丁寧な歯磨きやうがいを徹底する
家族みんなで丁寧な歯磨き習慣をつけることは、口臭予防だけでなく口腔トラブルの予防にとても重要です。
口内の食べカス・汚れ・歯垢をしっかり除去することが出来る丁寧な歯磨きをするように心がけましょう。
起床時、毎食後、就寝前と家族で丁寧に歯磨きをするように声をかけていきましょう。
歯磨きだけでなく、こまめなうがいをする事も口内を清潔に保つポイントです。
タンパク質を分解することが出来るマウスウォッシュを使用したうがいであれば、細菌が繁殖するタンパク質を除去することが出来るので口臭対策にもなりオススメです。
家族みんなで使用してみるのも良いでしょう。
子どもとの会話を増やす
口臭はストレスも大きな原因になってしまいます。
子どもとの会話を増やして、子どもがストレスを溜めにくい環境を作ってあげる事も、親として大切な事です。
またたくさんお喋りすると唾液の分泌量も多くなりますので、口内環境が整いやすくなります。
こまめに水分補給させる
口内の唾液の分泌量が低下すると口内が乾燥してしまい、細菌が繁殖して口臭の原因になります。
口内が常に唾液で潤っている状態を保つことが、口臭予防の秘訣です。
唾液の99.5%は水分で出来ています。
こまめな水分補給をすることで、唾液の分泌量も上がっていきます。
この時一度にたくさんの量の水分を摂取すると、汗や尿として排出されてしまうので意味がありません。
こまめに少量ずつ水分を口に含むようにして、水分補給をするように促していきましょう。
子供の精神的負担にならないようにサポート
口臭の悩みはとてもデリケートな悩みです。
口臭の悩みが子どもの精神的負担にならないようにサポートしてあげましょう。
口臭を気にするあまり学校無口になってしまったり、友達と円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまうと、子どもの将来に影響してしまう可能性もあります。
親として正しい知識を持ちながら、お子さんの口臭ケアとメンタルサポートをしてあげましょう。