うがいで予防!臭い玉の原因と正しい取り方

くしゃみや咳などをした時に、喉から黄白い塊が出てきて驚いた経験があると思います。

この黄白い塊は臭い玉(膿栓)と呼ばれるものです。

この臭い玉を潰してみるととてもクサイのです。

そんなクサイ臭い玉が口の中にできてしまうというのは、口臭もクサイに違いないと思うでしょう。

それがくしゃみや咳をした拍子にいきなり出てきてしまうのです。

この臭い玉が出来るメカニズムと、そして臭い玉を取る方法をご紹介していきますね。

口臭の原因。臭い玉(膿栓)とは何?

臭い玉とは膿栓(のうせん)と呼ばれる塊です。

色は黄色や白に近い色で、その塊をつぶすととてもクサイのです。

喉からは、外部から入ってくるウイルスや細菌を攻撃するために、免疫物質が出ています。

この免疫物質は粘液上の抗体で、この抗体が日々入ってくるウイルスなどを撃退してくれています。

この抗体がウイルスと戦ったあとの死滅したウイルスや、食べカス、扁桃腺組織であるリンパ球や白血球、タンパク質、リン酸石灰、コレステリンなどが混ざったものが膿汁になります。

膿汁が固まって出来たものが臭い玉(膿栓)です。

臭い玉(膿栓)は扁桃のぼこぼこしたくぼみの部分に溜まっていきます。

そして口内が乾燥すると細菌が増加するため、細菌を撃退しようと免疫物質も出てきて、それらが混ざりたくさんの臭い玉(膿栓)が出来てしまいます。

臭い玉(膿栓)と口臭の関係性 

この臭い玉(膿栓)は、死滅したウイルスや細菌の塊です。

細菌やウイルスの死骸は腐敗臭がしますので、口臭の原因にもなります。

またこの臭い玉(膿栓)は、作られる過程の粘液状態の時にすでに膿のような臭いがします。

この臭い玉(膿栓)が喉に付着すると、さらに喉の粘液と絡まり、喉の乾燥により気化されると臭いが口臭としてあがってきます。

臭い玉(膿栓)の臭いはどんな臭い? 

くしゃみや咳をした拍子で手に飛び出てきた臭い玉(膿栓)は、潰した時強烈にクサイ臭いがします。

これはまさに粘ついた膿の臭いなのです。

臭い玉(膿栓)は、腐ったチーズの臭いや、下水臭い・ドブの臭いと言われています。

これは、空腹時や寝起きに唾液の分泌量が低下することが原因で起こる生理的口臭の臭いとも似ています。

臭い玉はなぜ臭う

口内に居る細菌は悪臭ガスを発するのですが、その細菌の死骸の塊である臭い玉(膿栓)も当然臭いのです。

舌やのどが乾燥すると、膿栓(臭い玉)も乾燥するので、喉から鼻に抜けるようなクサイ臭いを発します
空気が乾燥している場所で口呼吸をすることで、口内の唾液の分泌量が低下して口臭も発生し、扁桃、喉、舌の粘膜に膿栓が発生して、クサイ臭いがどんどん混ざっていくのです。

臭い玉(膿栓)ができる場所は扁桃腺

臭い玉(膿栓)は、喉の奥の扁桃というリンパ球の集合している個所があります。

扁桃は、外部から侵入してきた細菌、病原体、ウイルスなどと戦ってくれています。

扁桃にはウイルスを効率よく殺菌するためのぼこぼこした穴の部分があり、そのくぼみに臭い玉(膿栓)が出来てしまいます。

臭い玉(膿栓)ができる原因

口臭の原因になってしまう臭い玉(膿栓)は、細菌の塊です。

ではどのようなプロセスで臭い玉が出来てしまうのでしょう。

臭い玉(膿栓)が出来る原因

  • 風邪
  • アレルギー性鼻炎
  • 急性鼻炎
  • 慢性鼻炎(慢性副鼻腔炎・蓄膿症)
  • 蓄膿症
  • 咽頭炎
  • 逆流性食道炎

これらの病気は喉に細菌が増えてしまうことで発症します。

これらの病気にかかり、喉が乾燥してしまうと、臭い玉(膿栓)が出来やすくなってしまいます。

蓄膿症などでできやすく

臭い玉(膿栓)はとくに蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の人は出来やすいです。

蓄膿症になると鼻水の量が多いので、鼻の穴から排出されるだけでなく、喉の奥に鼻水が落ちてしまいます。

この症状を後鼻漏(こうびろう)と言いますが、この後鼻漏は臭い玉(膿栓)が出来やすくなる原因になります。

蓄膿症から後鼻漏になると、鼻水に含まれる細菌が喉に付着してしまうので喉が痛くなります。

蓄膿症の時の鼻水は、アレルギー性鼻炎の時とは違い、ねばねばした鼻水です。

このねばねばした鼻水は喉に付着すると長く定着してしまうので、細菌が炎症を起こしやすくなります。

喉が炎症を起こすと、扁桃から細菌と戦うための免疫物質が発生します。

これが細菌の死骸と混ざり臭い玉(膿栓)になってしまうので、蓄膿症の人は臭い玉(膿栓)が出来やすくなってしまうのです。

口呼吸が原因で起きるドライマウス

ドライマウスとは、口腔乾燥症と呼ばれる口の中が乾いてしまう症状です。

以下の症状に心当たりはないでしょうか?

  • 口の中が乾燥する
  • 口の中がねばねばする
  • 喉が良く乾く
  • 夜中に喉が渇いて目が覚める
  • 乾いた食べ物を飲み込みづらい
  • 口臭がする

上記の項目に1つでも当てはまることがあれば、ドライマウス症の可能性があります。

ドライマウスになると、口やのどが渇きやすくなる、口の中がねばねばする、口臭が気になるようになった、などの自覚症状が出てきます。

ストレスや薬の副作用でドライマウスになることがありますが、口呼吸をしている人は口の中につねに空気が通るので唾液が蒸発するためドライマウスになります。

唾液が蒸発すると、唾液の分泌量も低下してしまうのでさらに口内が乾燥します。

唾液含まれる成分には殺菌・抗菌効果があるので、唾液の量が減ってしまうと口内で細菌がどんどん繁殖します。

細菌が増えると、扁桃から細菌と戦うための目ね期物質が発生して、臭い玉(膿栓)が出来やすくなってしまいます。

また、口呼吸をしている人は無意識で口呼吸になっている人も多いです。

そのため知らず知らずのうちに呼吸と共に細菌やほこり、ウイルスをダイレクトに喉から肺に取り込んでしまいます。

臭い玉(膿栓)の取り方

鏡を見ていて見えてしまった臭い玉(膿栓)は、ついつい取ってしまいたくなります。

しかし臭い玉(膿栓)は、免疫物質が働いた後の残骸なので、それ自体は病気ではありません。

体を防御する反応で出来る臭い玉は、そのままにしておいても自然に出てきたリ、喉に落ちて飲み込まれた後は胃酸で溶けてしまいます。

綿棒やシャワーで取るのは、粘膜を傷つけるので×

インターネットの動画等で自力で臭い玉を取る方法として、綿棒で取る方法が載っています。

しかしこれは粘膜を傷つける可能性があるので絶対にNGです。

綿棒は柔いと思っていても、喉の粘膜の方がはるかに柔いので、少しの刺激でも痛みを感じます。

傷ついた粘膜からさらに雑菌が入ると、細菌が繁殖してしまいますので絶対にやめましょう。

またシャワーで洗い流す方法や、注射器のような器具を使い水で洗い流す方法も紹介されていますが、どちらも水圧が過剰にかかると喉の粘膜を傷つけてしまい出血する可能性もありますのでNGです。

また場所がずれると気管に水が入ってしまい苦しい思いをします。

病院で除去する方法

臭い玉(膿栓)は免疫反応で誰にでもできるものです。

病気ではないので、病院へ行っても臭い玉を除去せず、様子を見るお医者さんが多いようです。

まず病院では臭い玉を取ることよりも、その臭い玉の原因になっている風邪や鼻炎を治療することをオススメされます。

臭い玉をとってもまた出来るので予防が大切

臭い玉(膿栓)は、たとえ1つ取り除いても、その下には次の臭い玉が控えているのです。

取り除いてもエンドレスに次が出来るのであれば、臭い玉が出来ないような口内環境にすることがベストです。

臭い玉(膿栓)の予防方法

臭い玉(膿栓)が出来るのには、鼻炎や扁桃炎、副鼻腔炎の可能性があります。

耳鼻咽喉科でしっかり治療をしてもらうことも、臭い玉を予防することに繋がります。

鼻炎全般
アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まって口呼吸になってしまい、鼻水が多く喉に流れ落ち膿栓の原因になります。

咽頭炎
ウイルスや細菌が喉に付着して喉に炎症が起きます。

細菌を退治しようと免疫物質が出てくるので、膿栓の原因になります。

これらの疾患は、臭い玉(膿栓)の発生につながり口臭の原因にもなってしまいます。

しっかりと治療することをオススメします。

蓄膿症を治療する

臭い玉(膿栓)や口臭の大きな原因となる疾患に、蓄膿症もあります。

蓄膿症は、鼻の奥にある副鼻腔という空洞に膿が溜まる病気です。

蓄膿症になると、膿の臭いがしたり膿の臭いの口臭がします。

このときの鼻水はどろっとした粘液上で、色は透明ではなく黄色や緑色です。

この鼻水が、鼻の穴ではなく喉の方へ流れ落ちると後鼻漏になります。

粘液性の鼻水が喉にへばりつくと、そこに細菌が付着して臭い玉(膿栓)の原因になってしまいます。

またその臭い玉にさらに細菌が付着して、どんどん臭い玉が増えていくのです。

また蓄膿症の人は常に鼻が詰まっているので、口呼吸をしている人が多いです。

蓄膿症の人は、早めに耳鼻咽喉科で治療しましょう。

口呼吸を鼻呼吸へ

鼻炎になると鼻が詰まってしまうため口呼吸になってしまう人は多いです。

口呼吸になると、口から空気が入ってくるためさらに喉が乾燥してしまいます。

喉が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなるので、膿栓が出来やすくなってしまいます。

口呼吸は膿栓だけでなく、体のあちこちに悪影響を及ぼします。

意識的に鼻で呼吸をするようにしていきながら、口呼吸を鼻呼吸に切り替えていきましょう。

ドライマウスを防ぐマスクも効果的

口やのどの乾燥を防ぐために、マスクをすることも効果的です。

マスクをしていると、たとえ口呼吸になってもスチーム効果で喉が潤います。

ドライマウスの人は、口内が乾燥するため細菌が発生しやすいのです。

マスクをすることで口内の湿度を上げることも出来ますので、細菌が繁殖しにくい口内環境になるのです。

ドライマウスの人は、夜寝るときにマスクをして寝ることも睡眠中の乾燥を防ぐことが出来るのでオススメです。

一番の予防法!殺菌効果のあるうがい薬でうがい

臭い玉(膿栓)を防ぐ1番予防法としては、殺菌効果のあるうがい薬でうがいをすることです。

ガラガラと音を立てながらうがいをすることで、口内や扁桃にいる細菌を殺菌・消毒しましょう。

また定期的にうがいをすることで、喉の乾燥も防ぐことが出来ます。

口臭の原因、臭い玉(膿栓)は取ることより防ぐことが大切

口臭の原因になってしまう臭い玉(膿栓)ですが、この臭い玉を無理やりとることは喉の粘膜を傷つけてしまいますので絶対にやめましょう。

臭い玉は取ることよりも予防することが大切です。

臭い玉が出来ないようにすることは、まず毎日うがいをすることです。

うがいをすることで、喉を清潔に端つようにしましょう。

そして臭い玉の原因となる鼻炎や蓄膿症の疾患がある人は耳鼻咽喉科でしっかり治療することをオススメします。