口呼吸をすると口の中が乾燥してしまうので、口臭の原因になることはご存知だと思いますが、この口臭を改善するには口呼吸をやめる方法を実践したいですよね。
とはいうものの、無意識にしてしまっている口呼吸をなかなかやめる事は難しいですし、急に鼻呼吸に切り替えようとしても無理があります。
この記事では、口臭の原因である口呼吸をやめて鼻呼吸にすることで、口臭を改善する方法を順を追って解説していきます。
目次
口呼吸が原因で口臭に
本来私たちは鼻呼吸をするように出来ていますが、何らかの原因で口呼吸になってしまうのです。しかし、近年口呼吸をしている人が急増しています。
これは幼少期に固いものをあまり食べなかったため、顎や口を閉じる筋肉が十分鍛えられなかったことも関係しています。
口呼吸をしている人は、口の中に空気が通ってしまうため唾液が蒸発して口内や喉が乾燥してしまいます。口内が乾燥した環境では細菌が繁殖します。
細菌は虫歯や歯周病の原因にもなりますが、細菌の発する悪臭ガスが口臭の原因となってしまいます。
口呼吸をすると舌も乾いてしまうので、舌苔という舌全体が真っ白い苔で覆われる症状になります。舌苔も口臭の原因となってしまいます。
口呼吸が原因で様々な病気や症状の原因に
口呼吸をしていると、口臭だけでなく様々な病気の原因に繋がります。
私たちは鼻呼吸をするとき、鼻腔というフィルターで外部からの異物やウイルスの侵入を防ぐことが出来ますが、口呼吸だとそのようなフィルターがないので、ダイレクトに外部からの空気を肺に送り込むため、病気の原因になってしまうのです。
- 虫歯・歯周病
- 舌苔
- 膿栓
- 風邪
- 扁桃腺・咽頭炎など喉の病気
- 鼻炎
- アレルギー鼻炎
- 睡眠時無呼吸症群
- ドライマウス
このように口呼吸では病気に繋がるリスクがあるだけでなく、歯が着色してしまう、口元がだらしなくたるんでしまう、口角が下がる、など顔の印象にも影響してしまいます。
口呼吸の最大の理由。鼻づまりや様々理由で鼻腔が狭くなっている
口呼吸の最大の原因は、鼻腔が狭くなることで口呼吸になってしまうことです。
鼻詰まりは様々な理由で起こります。
鼻づまり・鼻炎で鼻腔が狭くなる
急性鼻炎や副鼻腔炎で鼻が詰まっていて、鼻で呼吸が出来ずに口で呼吸をしている場合があります。
この場合は鼻炎を治療しなければ、口呼吸は改善できません。鼻呼吸は、鼻で呼吸しながら脳の底である頭蓋底に空気を送り冷却しています。
口呼吸をすると頭蓋底に空気が行かなくなるため、頭がぼんやりしたり集中力が散漫になったりする原因にもなるのです。
副鼻腔炎になると鼻腔が狭くなります。呼吸をする際に空気抵抗が大きくなり、どんどん鼻呼吸が出来にくくなります。完全に鼻が詰まってしまう鼻閉になり、口呼吸になってしまいます。
アレルギー性鼻炎による鼻づまり
アレルギー性鼻炎では両側の鼻が詰まってしまう両側性鼻閉という症状になる場合があります。
これは、アレルギー反応が起きて血管が拡張してしまい、白血球の炎症による粘膜のむくみが原因です。
アレルギー性鼻炎の患者の中でも、ダニ・ハウスダストなどによる通年性アレルギー性鼻炎は全体の90%、スギ花粉では70%の人が白血球の炎症による粘膜のむくみの症状が見られます。
鼻以外に原因がある鼻づまり
鼻炎以外でも、扁桃腺の腫れで上咽頭に炎症が出来て後鼻孔を塞ぎ、鼻詰まりが起きてしまうことがあります。また口蓋垂が大きい人は、鼻呼吸がしづらい場合もあります。
甲介骨(こうかいこつ)の周りの血管による鼻づまり
鼻の中にある甲介骨は、呼吸をするとき吸い込んだ空気を加湿・加温する働きがあります。
甲介骨のまわりにある血管に多くの血液が流れ込んだ時、血管が膨張して鼻詰まりになることがあります。
乾燥による鼻づまり
空気が乾燥していると、鼻水が乾燥して鼻の中で鼻くそになってしまい、鼻くそが原因で鼻詰まりになることがあります。
歯並びが悪く、正しく口が閉じずらい
歯並びが悪い人、出っ歯の人は口がきちんと閉じづらくて口呼吸になっている場合があります。この場合は歯の矯正をして歯並びを整えると、口呼吸が出来るようになります。
子どもの頃に指しゃぶりをずっとし続けた場合、前歯が指に押されて前に出てきてしまう場合もあり、歯並びが悪くなってしまいます。
また顎が小さく受け口になっている人も口が閉じづらくなってしまいます。
睡眠時にいびきをかいている
日中は意識して鼻呼吸をしていても、睡眠中に口が空いてしまい口呼吸をしている人はとても多いです。
特にいびきをかく人は口呼吸になっている可能性が高いですが、いびきをかかなくても口呼吸になってしまう人も居ます。
睡眠中に気道が狭くなることでいびきが発生します。睡眠中に、口の奥部上あごの軟口蓋が落ち込みやすく、気道が狭くなってしまうのです。
普段から口呼吸をしている人は舌の筋肉も衰えているため、舌根も落ち込んでしまい気道が狭くなってしまいます。
朝起きたときに唇や喉が渇いていたり、口がネバネバして口臭が感じられる人は、睡眠中口呼吸になりいびきをかいていている可能性があります。
口呼吸から鼻呼吸にかえる方法
口呼吸から鼻呼吸に変えていく方法をいくつかご紹介します。
舌のポジションを確認する
鼻呼吸をしてみたときに、舌のポジションを確認してみて下さい。舌の位置が、上あごのくぼんでいる部分や、上の前歯のすぐ後ろについている時が舌のポジションが正しい時です。
舌の位置が下の歯の裏についている人は、舌のポジションを変えていくようにしましょう。慣れないうちは、舌を上あごに強めに押し付けるくらいの意識でも良いです。
その時、上下の前歯を噛みしめないように注意しましょう。
噛み癖を矯正する
虫歯だったり歯茎に痛みがある経験がある人は、食事の時に片方の歯だけで噛むことに慣れています。片方だけで噛む人は口のバランスもゆがんでくるので、口呼吸になりがちです。両方の顎を使って噛むようにしましょう。
口呼吸をしている人は無意識の時に口呼吸になることが多いので、まずは意識的に鼻呼吸をするように心がけることが大切です。
少しでも鼻が通っていれば鼻呼吸は出来ます。まずは口を閉じて意識的に鼻で呼吸するようにして、鼻呼吸の練習をしていきましょう。
睡眠に鼻呼吸にかえる方法
口に貼るテープ
睡眠中に口が空いてしまい口呼吸になるのを防ぐために、口に絆創膏を貼って寝ることもオススメですが、口周りの皮膚はデリケートなのでかぶれてしまう場合もあります。
睡眠中の6~7時間テープを装着していることになるので、肌にやさしいものを選びましょう。
その時は、ドラッグストアなどで販売されている口閉じテープを使用すると、唇が荒れたりかぶれたりすることを防ぎながら、睡眠中に口が空いてしまうことを防ぐことが出来ます。
テープで口をふさぐときは肌を引っ張りすぎないように、多少余裕を持たせながら縦方向に貼ります。心配な人は2本貼りましょう。
テープを張る前にリップクリームを塗っておくと唇を保護できるのでオススメです。
鼻孔を広げるテープ
鼻孔を広げるテープは、眠る前に鼻の上に貼って呼気路を確保して鼻呼吸を促します。鼻の上を手で押さえて苦しいなと思う場所の上に貼ると、鼻呼吸がすごく楽になります。
人によって貼る場所が若干違いますが、とても空気が通りやすい場所があるので自分なりの最適な場所を見つけて貼るようにします。
商品により値段の幅がありますが、安いものは粘着力が弱かったりしまうので、自分に合ったものを選びましょう。
マウスピース
睡眠中に口が空いて舌が喉の奥に落ちてしまい気道が塞がれてしまうと、いびきの原因になってしまいます。いびきをかく人は口呼吸になりがちです。鼻呼吸の促進のために、マウスピースをして眠る手段も有効です。
マウスピースを使うことで口が閉じた状態になり、開口による気道の狭まりを抑制できるため、鼻呼吸がしやすくなります。
下あごを前に移動させて舌を前に出し、舌が落ちることを防ぎます。すると軟口蓋も前に来るので、鼻の奥の気道が開くので、鼻呼吸が楽にできるようになります。
マウスピースは睡眠外来のある病院か、睡眠時無呼吸症候群について詳しい歯科で扱っていて、保険適用の場合およそ13,000~20,000円程です。
自分に合う枕を使う
睡眠中に口呼吸をしてしまうのは、寝相にも原因があります。人はうつぶせや圧迫された体制で眠ってしまうと鼻腔がうっ血するので、自然と口呼吸になってしまいます。あお向けで寝て、背中がS字カーブを描く姿勢が理想的なので、枕の高さが重要になってきます。
高すぎる枕を使っている人は、気道が狭まってしまいますので口呼吸をしてしまいがちです。あお向けで寝た時に頭ではなく首筋を支えられる枕で、理想の姿勢になるような枕を選びましょう。
鼻呼吸にかえるトレーニング
口呼吸から鼻呼吸に変えるためには、口周りの癖を改善していく必要があります。鼻呼吸に変えるために実践できる簡単なトレーニングをご紹介します。
マウスピース、箸をくわえる
歯科で作ってもらえるオーダーのマウスピースは、自分の口に合った使用になっています。装着すると口を自然に閉じられるため鼻呼吸への移行がしやすいです。
手軽にできる方法として、割り箸を口にくわえて一定時間過ごすことでも、鼻呼吸を習慣づけることが出来ます。自宅でテレビを見る時などに割り箸をくわえながら見るようにすると、無理なく続けられます。
口周りを鍛える体操
口周りにある口輪筋という筋肉が衰えることから口呼吸になってしまう場合があります。口輪筋を鍛える体操をしていきましょう。
あ・い・う・べ体操
口を大きく開けて、あー・いー・うー・べーと言いながら動かします。1日に30回ほど行うと効果的です。かなり深刻な口呼吸の人は、1日100回ほど行いましょう。
このあ・い・う・べ体操は、口輪筋を鍛えることが出来るのでオススメです。
鼻呼吸に治るまでマスクを使用するのも◎
マスクを使用するだけで口呼吸を改善することは出来ませんが、マスクをつけることで鼻呼吸をするように意識づけることが出来ます。
もし口呼吸になってしまっていても、マスクを装着していると呼気によって加湿されるため、口内が乾燥することは防げます。
鼻呼吸に切り替えられるまではマスクを使用することもオススメです。
口臭の原因の多くが口内に
口臭の原因の多くは口内にあります。虫歯・歯周病・ドライマウス・舌苔など口臭の原因になる症状は、口呼吸も原因であることが多いです。
また、口呼吸は100害あって1利なしと言われるほど、風邪や鼻炎に繋がる可能性も高いです。
口臭の発生源になってしまうだけでなく、健康を害する可能性がある口呼吸を改善していくために上記のようなトレーニングを実践してみて、鼻呼吸に切り替えていってください。