胃の不調がある人は要注意!ピロリ菌と口臭の関係性

胃に生息するピロリ菌は日本人の約半数が保有していると言われます。

ピロリ菌は、胃潰瘍や胃炎を引き起こす原因菌ですが、そんなピロリ菌が口臭の原因にもなるのです。

病気だけでなく、口臭の原因にもなるピロリ菌、その関係を見ていきましょう。

口臭の原因のつながると言われるピロリ菌とは

以下のような症状はありませんか?

  • 食欲がない
  • 吐き気がする
  • 胃がもたれることが多い
  • 胃が痛い
  • みぞおちが痛い
  • 腹部の痛みでその場にうずくまることがある
  • 胃の痛みが頻繁に訪れる

これらの症状がある人は、ピロリ菌に感染している可能性があります。

ピロリ菌とはヘリコバクター・ピロリ(HelicobacterPyilori)のことで、胃の粘膜に生息する細菌です。

ピロリ菌は、直径0.5μm、長さ3~5μmで、2.3回ねじれたらせんのような形状で、4~8本のべん毛があり、このべん毛を回転させながら胃の中を動き回ります。

このべん毛で素早く移動できるため、ピロリ菌は胃の中でも酸の弱いところを探して動き回っています。

胃の中はかなり強い酸性で、金属でも溶けてしまうpH1~2の酸性度です。

どんな細菌も胃の中では生き延びれないと言われていたほど強烈な酸なのですが、ピロリ菌は胃酸に負けないので胃の中に棲みついてしまいます。

そして胃に定着して感染をしていきます。

なぜうつる?ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌は、40代以上の人の80%の人が胃に保有していると言われます。

それは、昔の日本の衛生環境があまり整っていなかったことも大きな原因にあります。

ピロリ菌は水を伝って感染するため、川の水や井戸水などの衛生環境があまりよくない水を摂取したことも大きな原因です。

近年衛生環境が整って生まれた若い世代の感染率は低く、20代では20%以下の感染率です。

ピロリ菌は母子感染が多く、免疫力の低い子ども時代に感染しているケースが多いです。

親や他人が口をつけた食べ物を子どもが食べたり、幼児期~小児期の集団生活時に誰かの嘔吐物を触れてしまい、その手を洗浄しきれないまま食事をしてしまったなどのケースで感染してしまいます。

ピロリ菌の人への主な感染経路は口からです。

多くの人が保有しているピロリ菌ですが、大人になってからキスやコップの回し飲みで感染することはほとんどありません。

多くは子ども時代に感染しています。

あなたは大丈夫?ピロリ菌が原因で発生しやすい口臭の匂い

ピロリ菌に感染した人の口臭は、発酵食品の強烈なアンモニアのようなニオイと例えられることが多いです。

また、卵が腐ったようなニオイ、漬物、ラーメンのスープ、ラーメンのメンマのニオイ、乳製品の腐ったもののニオイ、靴下のニオイなどかなりの悪臭です。

尿(アンモニア臭)のような匂い

ピロリ菌から作られるアンモニアは、胃壁を傷つけるため胃粘膜が弱ります。

このようになると、胃は消化不良を起こすようになります。

口臭がアンモニアのような臭いになったらピロリ菌に感染している可能性があります。

アンモニア臭というのは、いわゆる尿の臭いではなく、鼻がつんとするような臭いです。

胃に棲みついたピロリ菌はウレアーゼという酵素を出し、このウレアーゼが胃粘膜に含まれている尿素を、アンモニアと二酸化炭素に分解します。

このアンモニアが強烈なアルカリ性なので、自分の周囲にある胃酸を中和することが出来るため、強い胃酸の中でも死滅せずに生きられるのです。

ピロリ菌の作り出すアンモニアは、胃壁を傷つけて胃粘膜を減少させていきます。

また、アンモニアは活性酸素と反応して強い障害作用を持つモノクロラミンという物質に変化します。

またピロリ菌の作るvacAというタンパクが胃粘膜の表面に穴をあけるので、白血球が胃粘膜に集まってしまい胃に炎症が起きてしまいます。

卵が腐ったような匂い

ピロリ菌が影響して負担がかかってしまった胃は胃炎や潰瘍を引き起こします。

胃の働きが弱まると、消化不良になり、食べ物が消化されずに胃の中に残ってしまいます。

胃に残った食べ物は発酵し、硫化水素ガスを発生します。

この硫化水素ガスは、卵が腐ったようなにおいがするのです。

ピロリ菌が口臭につながる理由

ピロリ菌に感染すると、ほとんどの人が胃炎になります。

ピロリ菌は胃壁を攻撃して胃に負担をかけてしまうため、口臭がしてしまうのです。

しかしピロリ菌感染者は、ほとんどの人が自覚症状がなく日常生活を過ごしています。

胃で発生した匂いが血中に取り込まれ口臭に

ピロリ菌が原因によって胃の中に発生したアンモニアや硫化水素ガスは、胃の中で充満します。

その臭いは胃壁を通り越して血液に取り込まれ全身を巡り、肺に達して気化され呼吸となり口臭がしてしまうのです。

ピロリ菌を放っておくと口臭以外にも様々な病気の原因に

ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こり始め、感染が長くなると胃の粘膜の感染部位もだんだん広がってきます。

ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気をを引き起こします。

また最悪の場合は胃がんやMALTリンパ腫などの悪性腫瘍の発症につながる恐ろしい菌です。

慢性胃炎から胃潰瘍に

胃の中は強い酸性です。

この酸によって食物を消化したり、侵入してきた菌を殺菌したりして胃を守っています。

胃粘膜は防御機能があり、胃粘膜の粘液やアルカリ性物質のプロスタグランジンなどが、酸や老廃物を除去して胃酸から胃を守っているのです。

ところが、ピロリ菌の攻撃に遭うと胃粘膜に傷がついてしまい、ピロリ菌感染胃炎という慢性胃炎となります。

慢性胃炎が進行すると胃粘膜の防御機能がどんどん弱まり、胃潰瘍になってしまうのです。

いつも胃が痛い、胸やけがする、といった人はすでに慢性胃炎や胃潰瘍の症状がある可能性があります。

胃に繋がる十二指腸潰瘍

十二指腸は胃と小腸をつなぐ消化管で、指を12本分並べた長さがあるということから十二指腸と呼ばれています。

胃から送られてきた食べ物は、十二指腸で胆汁や膵液などの消火液と混ざって消化されて、小著ーうへと送られていきます。

この十二指腸の粘膜が傷ついた状態が十二指腸潰瘍です。

十二指腸潰瘍の95%はピロリ菌感染と言われ、胃の出口付近がピロリ菌に感染していると十二指腸潰瘍になりやすくなるのです。

十二指腸潰瘍の症状は、空腹時のみぞおちの痛みです。

夜間や早朝など、空腹時に強い痛みを感じます。

胃酸過多になることから、胸やけや吐き気を感じたり食欲不振になる場合もあります。

重症の場合は、潰瘍からの出血で吐血したり、タール便とよばれる出血による黒っぽい便がでることがあります。

最悪の場合、胃がんの原因に

胃がんは日本人に多いがんで、毎年5万人が胃がんで亡くなっています。

ピロリ菌は、胃がんの危険因子でもあります。

ピロリ菌感染による慢性胃炎から、胃潰瘍、そして胃がんに進行する可能性があります。

胃がん患者の98%はピロリ菌感染胃炎を経て胃がんを発症しています。

ピロリ菌に感染している人は、感染していない人に比べると胃がんになる確率が20~30倍も高くなります。

ピロリ菌かんと思ったら【自宅でできる確認方法】

ピロリ菌に感染しているかな?と思った人は、まずは自宅でできる確認方法があります。

以下のようなことに心当たりはありませんか?

  • 胃の調子がよくない・胃が痛みが続く
  • 家系が胃がんの家系である
  • 身内にピロリ菌感染者がいる
  • ピロリ菌に感染している人の話を聞いて、不安になる
  • 妊娠する前に、ピロリ菌に感染しているかどうか気になるから知りたい
  • 胃の痛みはあるけれど、なかなか忙しくてすぐに病院へ行けない

このような人には、自宅にいながらピロリ菌感染の有無を調べられるピロリ菌検査キットがオススメです。

ピロリ菌検査キットは、自宅でも医療機関と同等の検査が可能なのです。

通販で買えるピロリ菌検査キットは約三種類

ピロリ菌検査キットは、通販で購入可能です。

このピロリ菌検査キットを使えば、わざわざ病院に行く必要もなく、病院の初診料などもかからないので、手軽にピロリ菌の有無を検査できるのです。

採決タイプの使用方法と特徴

採血タイプのピロリ菌検査キットは、血漿分離器・採血針・採血管・消毒綿などの採血セットが入っており、自宅で病院と同等レベルの血液検査をすることが可能です。

採血といってもほんの1滴(0.05ml)なので、負担なく検査できます。

丁寧な説明書が付いているので、問題なく検査をすることが出来ます。

採血後、検査申込用紙とともに郵送して、検査結果を受け取ります。

検査結果は郵送・メール・インターネット等で受け取ることが出来ます。

採尿タイプの使用方法と特徴

採尿タイプのピロリ菌検査キットは、尿や血液中に含まれるピロリ菌後退を検出することにより、現在・過去にピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。

簡単に採尿できる採尿用具が届き、朝1番の尿を摂って返送します。

臨床検査センターで検査後、検査通知が約2週間後に届きます。

検便タイプの使用方法と特徴

検便タイプのピロリ菌検査キットは、糞便の中に含まれる便中抗原定性検査で、ピロリ菌の有無は胃カメラ同等の信頼性があります。

採便容器に便を採取して問診票とともに返送し、医療機関と同様に大手検査会社で検査をします。

正確に検査したい場合は「消化器内科へ」

口臭も気になり胃の調子も良くないので正確にピロリ菌の検査をしたい!と思った場合は、消化器内科で検査を受けましょう。

検査方法

病院へ行くとまず、内視鏡検査や造影検査で、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの病気ではないかの検査をします。

これは内視鏡または造影検査で胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の確定診断がなされていないと、ピロリ菌検査とピロリ菌除去の治療が基本的に出来ないためです。

診断後、ピロリ菌に感染していないかを調べます。

※痛みが強く出ているなどの症状がある時は、確定診断が出ない場合でも自費診療にはならず、保険診療にしてくれる場合もありますので、病院で相談してみて下さい。

ピロリ菌検査は、尿素呼気試験と血中抗体検査があります。

尿素呼気試験

一番正確で速いとされる尿素呼気試験は、尿素を含んだ検査薬を飲んで専用の袋に息を吐きだして、二酸化炭素が多く含まれているかを調べる検査です。

ピロリ菌は、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解するので、ピロリ菌に感染していた場合は多くの二酸化炭素が検出されます。

検査する病院にこの息を分析する装置がある場合は、およそ30分で検査結果が出ます。

装置がない場合は、郵送での検査になるので検査結果を待つまで時間がかかります。

自費価格は6,000円程度と少し値段は高めです。

血液/尿中抗体検査

健康診断などで受ける血液検査や尿検査を通して一緒に受けられる抗体検査は、人間ドッグや自治体の健康診断などでもオプションで選択できる血中抗体検査と、尿検査で尿中抗体検査があります。

しかし胃炎が進行して胃がんのリスクが高まっている時などはピロリ菌が減少しているので、場合によっては陰性と判断されることもあります。

便中抗体検査

便中抗体検査は、便中のピロリ菌を検査する方法で、尿素呼気試験と同等の信頼性があります。

ピロリ菌に感染すると、一部のピロリ菌は便の中にも存在するようになります。

検査キットを病院から持ち帰って自宅で検査して提出し、検査機関で検査をするため検査に時間がかかってしまいます。

しかし採血や薬を飲むなどはしなくてよいため、体に負担はなくピロリ菌の有無についての検査が出来ます。

内視鏡検査

内視鏡の検査をするときに、胃の粘膜を少し採取して菌を培養し、ピロリ菌の出すウレアーゼを調べてピロリ菌の有無を検査します。

しかし、ピロリ菌は胃粘膜だけに生息しているわけではないので、場合によっては陰性となってしまいます。

内視鏡検査は、人件費と時間がかかるので効率的ではないとされ、多くの医療機関では内視鏡検査はあまり行われていません。

除菌率が高い!病院での治療の方法

ピロリ菌に感染していると判明したら、病院で除菌治療を行います。

ピロリ菌の除菌には3剤除菌療法という除菌治療が行われます。

1次除菌で胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質と3つの治療薬を1日2回、7日間服用します。

その後除菌半手検査をしますが、この段階で80%の人はピロリ菌の除菌に成功します。

その後妖精だった場合は、2次除菌として、再度抗生物質の1種類を変更して7日間服用します。

この段階で95%以上の人がピロリ菌の除菌に成功します。

1次除菌にかかる薬代は、自費でおよそ6,000円、2次除菌では5,000円です。

保険適用の場合はもう少し費用が抑えられます。

ピロリ菌の除去で口臭予防やガンの発生を低下させる

ピロリ菌をしっかり除菌することで、アンモニア臭の口臭や、腐った卵のような口臭を改善できます。

また口臭予防だけでなく、胃炎や胃潰瘍、胃がんの発生率を低下させることが出来ます。

ピロリ菌感染が進行して重大な病気に繋がらないように、ピロリ菌感染を疑われたら早めに検査を受けましょう。

ピロリ菌が原因ではない口臭には、口臭対策サプリがおすすめ

口臭の原因がピロリ菌でなかった場合は、口臭対策サプリメントがオススメです。

かなり強い口臭も、口臭対策サプリメントなら臭いの直接原因に効くように作られていますので口臭を抑えることが出来ます。

卵が腐ったような硫黄臭がする場合も、サプリメントがその原因となる箇所に留まって消臭してくれるので、口臭を抑えてくれるのです。

口臭対策サプリメントや食事・生活習慣の見直しをしながら口臭の悩みを解決して、快適に過ごしていきましょう。